PS3陣営のジレンマ | Aちゃんねる~2ちゃんねる重鎮コテA助様がゲームを斬る!

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 さて、PS2ソフトをHD化しPS3版として同時発売すればいいとの俺の考えが賛同を得ているが

実のところその程度のことは当然SCEも考えているはずだ。

が、現状ではそれをしていない。

なぜか。

今回はその理由について語る。


 単刀直入に言えば、売れたら困るのだろう。

何がって?

PS3ですよ、PS3。

売れたら困るんですよ。だって赤字販売ですもん。

本体が売れれば売れるだけ赤字が膨らむんだから今の状況は都合がいい。

むしろ想定どおりではないかと。

じゃあ、このまま売れないままでいいのかと言われれば当然そんなことはなくて

本体の製造原価を下げる努力を今まさにやっている最中なのだろう。


原価が下がればWiiに失望しきった消費者がPS3に飛びつくのは間違いない。

今年の秋以降は、これまでWiiやNDSで手抜きゲームを出し小遣い稼ぎをしたメーカーが

こぞってPS3に本気のタイトルを投入してくるだろう。

そうなったときに製造原価を下げたPS3を売るのである。

もちろんハードが売れればソフトも売れるので収益面でも期待できるのだ。


 つまりは、俺が一年前に語ったようにPS3の真の発売日は今年の暮れなのだ。

今は熱心なゲームファンやBDを楽しみたい層が一足早くPS3を楽しんでいる状況で、

彼らは半年後の新規ユーザーにPS3の魅力を広めるアーリーアダプター。

もちろん俺もアーリーアダプターの一人である。


 NDSやWiiのように、すでにレイトマジョリティにまで押し付けたハードはすでに枯れている。

ブームを仕組み、アーリーアダプター不在のまま一気にレイトマジョリティにまで売りつけた代償は

今後の急速な市場縮小で支払うことになるだろう。

悪銭身につかず。

任天堂にはこの言葉を贈りたい。


 なお、今回のアーリーアダプター、レイトマジョリティというのはイノベーター理論の用語。

興味があればここ を参考にしてもらいたい。

また、消費者の声を聞き、満足度の高い商品を出す優良企業が競合企業に負けるジレンマを

詳しく解説した本があるので興味があれば読んでもらいたい。

SCEのジレンマが理解できるだろう。


イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき/クレイトン・クリステンセン

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