8月3日、4日は島根の松江で行われたアジア・オセアニア性科学学会という産婦人科やセクシャルヘルスケアの専門家・企業が集まる国際学会に参加してきました!
こんなプログラム

$あすかのLIVE LOVE LAUGH!!

そして、今回はただ学会を聞くだけではなく、「若者世代の性の健康に関する円卓会議」というセッションに日本の若者代表(!)として参加してきました!
世界性の健康学会 若者部会(YOUTH INITIATIVE)主催の会合なのですが、「21 世紀の若者の性の健康」について世界中の若者から意見を収集し、世界中の若者の性の健康に関する活動
を行っています。
今回は日本での初の試みということで、座長をつとめられたLink-Rの柳田さんからお声がけいただき、ちゃっかり協賛の(株)典雅さんからの奨学金をいただいて行ってきましたー!

会場は灼熱の松江・くにびきメッセ。

まず参加登録をして、会場をうろうろ。。
同時開催だった第42回全国性教育研究大会の講演を聞いてきました。

講師は島根大学保健管理センターの河野美江先生。松江市内外の学校で性教育の講演をされたり、メール相談を受けてきたご経験のある先生による、学校・地域・医療がどう連携して性教育をしていくべきかというポイントを分かりやすくお話いただきました。

●講演の際の事前・事後フォローについて

先生が性教育の講演をする際は担当の教諭と内容について打ち合わせを行い、事前に保護者説明会を実施するそうです。
そして講演会後には生徒に感想を聞き、それに対して返事を書いたり、学年便り等で匿名で感想を紹介し、保護者との共有を行うと言います。
保護者への事前・事後フォローや生徒に合わせた講演・授業の設計が大事なのですね~

●伝えるメッセージのポイント
河野先生が講演の際に科学的な性知識と一緒に伝えているメッセージとして、このようなことをご紹介いただきました。

・(アンケートデータを見せながら)いろいろな考え方があっていい、と認めてあげる。
 付き合う=だめなことではない、人と人が仲良くなって分かり合うのは素敵なこと。
 性は素晴らしいもの、だから大切にしようね。
・当たり前のこと、いけないことはいけない、とはっきり言う。
・世の中には週刊誌や漫画、インターネットなどで、エッチな情報が流れているけれど、本当のことじゃないよ
・子供は家出してはいけない。悪い大人もいる。困ったら信頼できる大人に相談する。
 おうちの人だけではなく、養護の先生や担任の先生にまずは相談してみて。
・愛しているから性行為するのはNG。本当に愛しているなら、相手を大切に。愛を語り合うことも大事。


河野先生の優しい、やわらかい口調でそう言われたら、だれもが耳を傾けてしまう!と思ってしまうほど素敵な、お話の仕方でした^^
はじめにDVDを流したり、身近にある話を例に挙げ、自分事にしてもらう、という工夫もされていると言います。


●リスクの高い生徒への対応
すでに性交経験がある生徒には、個別に指導したりもするそうで、性感染症の疑いがある場合は病院の受診を勧めることで感染症の早期発見・治療にもつながることがあるそう。
また、性被害や虐待にあっているケースの場合は、児童福祉施設・医療機関とも連携し、児童のケアを行う必要がある、子供が困った時駆け込める場所が必要と河野先生。


一度の講演でただ正しい性知識を教える場、予防行動を生徒に促す場を提供するというだけではなく、それをきっかけに医療機関の受診につなげることや、困った時に相談できる大人と子供をつなぐ、ということも大きな実績になるんじゃないかな、と思いました。


●後半はメール相談のグループワーク
また、若者からのメール相談も受けている河野先生。
メールというツールならではの特性に配慮したアドバイスをされています。

講演の後半ではグループになって、若者からメール相談を受ける形で、グループで解答を考えるワークショップしました。

メール相談では、返信に時間がかかる場合があることや、医療行為ではないことをまず前提として了承してもらうプロセスが必要と先生。
そしていくつか見せていただいた先生の解答例では、「こんにちは、」という言葉から始まり、
最後はご自身の名前を書く、というスタイルでした。

私のグループでは、「生理が半年来ません。病気ですか?」という相談の解答を考えました。
抽象的かついろいろなケースが考えられますよね。
しかもメールだから何回もやりとりするわけにもいかないし。。
下手にいろんなことが考えられるって挙げたところでピンとこなかったり、大丈夫なんだ!と質問者が決めつけてしまうのも考えもの。

私たちのグループでは、「まず相談してくれてありがとう。自分の体や生理のことを気にかけることはとても大事なことだよ。生理が半年こないのは心配だね。いろいろな原因が考えられるので、まずは養護の先生やお母さんに相談してみたらどうかな?
病院でお医者さんにみてもらうと、安心できると思うよ。」
といった趣旨の答え。ちょっと長くなっちゃったけど。。

河野先生のポイントとしては、短く、1回で終わるように返信するそう。
そしてできるだけシンプルに医療機関での受診を勧めたり、デートDVのようなケースでは、「そんな彼とは別れた方がいい」とすぐ言うのではなく、デートDV防止プロジェクト・おかやまが運営している「恋する2人のまじめな相談」を見てみて、と考えさせるアプローチをすることもあるそうです。
相談者自身が解決する力を身に着けることも大事、、ということですね。

個人的には、この掲示板はこれでデートDV予防や対策につながっているかというとまだまだかなと素人目にも思いますが、まずは完璧ではなくとも、こういう場やネット上でのコミュニティ、居場所、相談できる場所を作ることが大事な第一歩なんじゃないかなと思います。

次回は、若者円卓会議についてレポートします!