病院の帰りによく四天王寺まで歩くアソシエです。

先日は少し足を伸ばして、大阪市立美術館(天王寺公園内)まで行って来ました。

2012年10月30日(火)~12月9日(日)まで、特別展「北斎 -風景・美人・奇想-」をやっています。

関西発!アソシエの休職中ブログ

展示点数が多いので、とても疲れましたけど、楽しかったです。


北斎といえば、昔子供の頃に永谷園の「お茶漬け海苔」の中に、おまけのようについていた、浮世絵カードがとても好きで、集めていたのを思い出します。
今でいうところの、トレーディングカードみたいなものでしょうか?
北斎だけじゃなく、写楽のもあったと思いますが、粋なおまけでしたよね。


平日の午後でしたが、予想以上に人が多く、その人たちのほとんどが、「(作品が)小さっ!」「(絵の描写が)細かっ!」と、興奮気味に大騒ぎ。
何故か、シニア世代のご夫婦連れが多く、男性の方がにわか講釈(そのほとんどが掲示されている解説に書かれてある)を始めるのが、面白かったし、若干うるさくもありました。(笑)
美大系の学生さんたちのグループもいたようで、先生っぽい初老の男性が、傍らの学生さんにちょこっと端的に解説したりするのは、ツボをおさえた感じで、「お、さすが・・・」と思いました。

大人になって、北斎を見るのは、多分初めてと思うのですが、連作「銅板近江八景」や「冨嶽三十六景」など、テーマ性はあるものの、本当に描きたかったものは、近江の名所や富士山ではなかったのではないかと思いました。
特に、「冨嶽三十六景」なんて、ほとんど空や波、樹木や霞などに、わざと紛れるような描き方をしていて、まるで「ウォーリー(=富士山)を探せ」みたいですよね。
確かに、連作を続けるには、富士山だけでは見る人の興味は保たないはず。すぐ飽きられてしまうでしょう。
わざと、紛れるように描くことで、見る人の興味や驚きを誘っています。
現に、今に生きる私たちも、これらを見て、驚きの声をあげています。

お抱え絵師ではなかったこともあり、版元か、北斎自身なのか、どちらかはわかりませんが、連作の企画力もすごいなあと思いました。
「百人一首うはかえとき」は、本来なら、百人一首を乳母が子供に易しく絵説きするかのように描く、というコンセプトで、百首分全部描かれる予定だったのが、途中までの連作になっています。(企画倒れ?不評?)

その他、北斎の旺盛な制作意欲。
90歳(満88歳)で亡くなる年にも、富士山に昇り龍の絵を描いたそうで、「さらなる高みに昇りつめたい」という野心の現れだったのではないかと言われています。
そのポストカードを、記念に買って来ました。


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中国風、禅風な感じが、かっこいいですね。