Julio Maldonado氏
マルディーニと呼ばれている人がスペインにいます。
本名をフリオ・マルドナード氏といい、恥ずかしながら
私も全く存じ上げてなかったのですが、スペインでは
Fiebre Maldiniという自分の冠番組を持つ方です。
彼は元プレーヤーでもなく、ライターでもなく、職業は
強いて言うならフットボールマニアとでも言ったらよい
のでしょうか。
http://es.wikipedia.org/wiki/Julio_Maldonado
1990年代から、世界中のフットボールの録画をはじめ、
今ではブラジルをメインに、メキシコ、アルゼンチン、
チリ、ウルグアイなどの中南米、カメルーン、ナイジェリア
などのアフリカ、西アジア、またヨーロッパ全域の1部、
2部、下部組織を含めて現地でTV放送のある
すべての試合を録画しているとのこと。
家にはなんと10万本だったかのDVDがあるというから
驚きです。
そして現在彼が行っているサービスが、海外の各クラブ
チームに対して、獲得を希望する選手の最近の試合、
過去の試合のすべて、もしくは1部をクラブの要望に対して
パッケージ提供するというもの。
代理人が持ってくる選手のビデオというのは当然、その
選手の過去のベストプレー集ですから、実際のプレー
とは違っている部分も多いのです。ビデオで見てよかった
から獲得したものの、実はその試合だけがすこぶる調子
がよかったかもしれないのです。どこのクラブでも選手と
契約する際には多額のフィーを支払うわけで、例えばその
契約選手の最近10試合のビデオを見るだけでもかなり
違った角度からの分析が可能になるでしょう。
今回の出張では、彼と食事をする機会があったのですが、
本当にびっくりしたのは、単に全ての試合を録画している
のかと思ったら、自分の時間のほとんどを選手のチェック
に使っていて、なんとセルヒオラモスなんかは14歳
だったかのときに彼はすでにその才能を見抜いてい
たとのこと。
特定の選手について話をすると、この選手はテクニック的
には●●●、フィジカル的には●●●、精神的には●●●
といった感じでいろんな角度から話をしてくれます。
ヨーロッパの有名選手のことならみんな知っているのです
が、ブラジルの2部の18歳の選手などのことまでこんな感じ
で話すのです。
現在でもクラブチームからの要望で、例えば18歳
前後のブラジルの左利きで180cm以上で、技術のある
セントラルを3名リストアップしてくれなどといわれてリスト
アップすることなどもしているそうな。
さらにびっくりしたのは、日本人選手のことまでやたら詳しい。
今回セルティックに移籍した水野選手はもちろん、森本選手
のヴェルディーでのデビューの年齢と初ゴールの試合なども
記憶しているのです。スペイン人がですよ!
“好き”を極めきった人が活躍できる場所がちゃんとあるって
素晴らしいなあと思います。