工学部・水柿助教授の解脱/森 博嗣

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☆☆
前作「工学部・水柿助教授の逡巡」の書評でこのシリーズはもう読まない、と書いたにも関らずまた読んじゃいました。このシリーズがどんな雰囲気かはシリーズ第1弾「工学部・水柿助教授の日常」の書評を読んでいただくとして、まあとりあえずこれでこのシリーズは完結です。

今作は水柿君(≒森博嗣)がヒット作家として活躍しだして数年後から引退に至るまでのお話です。とは言ってもこのシリーズは相変わらずで、引退に至る経緯がしっかりと書かれているわけではありません。今作のメインとなるのはペット(犬)を飼いだしてからの生活ですね。まあ微笑ましいというか可愛いというか。一遍ずつ暇つぶしに読むのならそんなに悪いことはないですが、買うほどのモノではないと言うのが正直なところです。

とは言え、一応引退に至る想いについては語られていますし、作者の日常を描いたような本ですからファンの方は買っておいてもいい本だと思います。奥様との生活ややり取りも微笑ましいですし、冗談めかして書きつつも何となくこんな感じの夫婦なんだろうな、と想像がついたりしてそれが何とも微笑ましいです。森博嗣さんが実際自分自身の言葉で作品や私生活について語り、奥様もコメントを寄せている「森博嗣のミステリィ工作室」と比較してみても面白いと思います。

何となく将来的に絶版になる気がするのでファンの方はお早めにです。

これまでにご紹介したMシリーズ2冊
「工学部・水柿助教授の日常 」☆☆☆
「工学部・水柿助教授の逡巡」☆☆