モダン・メンズウェア ディオールオムからマークジェイコブスまで (P-Vine BOOks)/ハイウェル・デイヴィス

¥2,500
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☆☆☆☆
なんだかんだ言ったって主役は女子。世の中の大体は女の子を中心に回っている。
勿論、労働社会においてはまだまだ男女平等とは言いがたい世の中だ。とは言え消費やエンタメにおいては中心は女子が居座り、端っこには女の子に入りやすい入り口が用意されている。男なんて真ん中と端っこの間をうろちょろしているだけだ。

ファッションはその際たるものだ。大体からしてレディースよりもメンズに力を入れてます!なんてデザイナーがほとんどいない。
でも、でも、良く考えて欲しい。デザイナーのバックボーンや哲学を知りたがり、使用されている生地や糸までこだわり、職人的な縫製技術に感嘆するのは大体が男だ。
つまりこんな類の本はむしろ女よりも男に需要があるはずなんだ。それでもメンズウェアを対象とした書籍は極めて稀。そういった意味では本書を出版したブルース・インターアクションズにまたもや拍手を送りたい。

さて、本書はディオールからマークジェイコブスまで、というサブタイトルがついている。ブランドやデザイナーの人気や認知度を考えればエディ・スリマン(クリスになってからではなく、エディ・スリマン時代に書かれたようです)やマーク・ジェイコブスにスポットが当てられるのは当然だが、ファッション界では超VIPの2人に関する記事やインタビューはあちこちで見ることが出来るので特別な価値は感じない。同様なことはガリアーノやマックイーン、マルジェラなど超メジャーデザイナーについても言える。本書の価値はむしろキム・ジョーンズやリック・オウェンスといった比較的露出が少ない(と言ってもある程度こういった書籍や雑誌を目ざとく見ているファッションヴィクテムであればとりたてて新鮮ではないかもしれないけれど)実力派のメジャーデザイナーが収録されていることだろう。

内容についても少し触れておく。本書における文書パートはデザイナーのプロフィールや彼らの作品の特徴を紹介、批評したモノが大半で一時情報は殆どないと言ってもいい。その意味では以前この書評ブログでご紹介したデザイナーのインタビューをも多数収録した堀江瑠璃子の「世界のスターデザイナー」「ヴィジョナリーズ ファッション・デザイナーたちの哲学」には一歩譲る。本書の魅力はページ構成である。デザイナーのページごとにパッチワークのように張り合わされた(あるいは卒業アルバムの思い出のページのように)コレクション写真、デザイナー自身、デザインラフ画、広告、アトリエの様子など様々な写真が実に素晴らしくデザイナーの性質を表現している。そういった意味では非常に雑誌的な書籍でもあると言えるだろう。

いずれにせよ、冒頭に書いたようにメンズウェアにスポットが当たることは極めて稀だ。興味のある方は是非、である。

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