厳歌苓 というアメリカ在住の中国人作家による作品「小姨多鶴」
孫麗主演で、2009年に放送されたドラマの元になった長編小説で
ある。
多鶴さんは、ソ連の参戦のために大変な状況に陥り、甚大な被害に
見舞われた、中国残留夫人の一人である。
逃げる途中中国人に捕らえられ、白菜より安いお金で取引され
ある老夫婦に買われる。
この老夫婦の一人息子の嫁は、日本軍の蛮行により、妊娠ができない
体にされていた。
夫婦は、息子の子供を産む為に、多鶴を買ったのだった。
息子の妻は、当初涙に暮れるものの、3人の子供を産み
自分の妹として、一緒に暮らし子供たちを育て、苦労を
分かち合った彼女に大きな信頼を寄せるようになる。
日中国交正常化が実現し、生き別れていた、多鶴の母が日本から探しに
来る。
多鶴は母とともに日本へ帰国することになるが、
息子の妻は、別れの時にはじめて、今まで封印していた
事実を子供達に告げる。
「子供達3人の実の母親は、多鶴さんなんです。我が家の大恩人なんです」と。
ドラマはそれで終わるのだが、
こんな生き方をしなければならない人が本当にいたのだ。
と涙が止まらなかった。
小説で読んでみたいと思った。