あるさの日々これ出会い

あるさの日々これ出会い

観に行った舞台やライブなど、思いつくままに書いてます。

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今年もまた、春風とともに、年に一度のオトムギの季節がやってきました。

今年の大人の麦茶本公演は、オトムギにとっての代表作の一つといってよい『おしり筋肉痛』の、再々上演です。

といっても、「リノベーテッド」と付いているだけに単なる再演ではなく、主宰の塩田さんが全編にわたって脚本に手を入れ、配役と演出を入れ換えた、まさに「リノベーション」と呼ぶにふさわしい作品となっています。

内容について書くとネタバレになってしまうので、くわしくは書きませんが、大人の麦茶という劇団の歴史を感じるリノベーションだとだけ、言っておきましょう。


それとともに、自分だけなのかも知れませんが、観ていて初演の時の役者陣が、不思議に思い出されました。

そして、今回の第29杯目公演の出演役者たちのよさだけでなく、特に初演の時の配役たちの持っていた、彼ら彼女たちに特有のすばらしさ美しさを、今までとは別の角度から再認識しました。

それは、初演・再演・リノベーテッドのそれぞれの芝居を横に並べて優劣を比較するという話ではなく、ありえたはずの並行世界を体験しながら、同時にもといた世界の記憶をたどっているかのようでした。

そしてそれにも関わらず、気づけば自分は、初演の時にも再演の時にも涙したある箇所で、三度(みたび)涙をぬぐうことになりました。


最後に、オトムギの舞台を観に行った時に必ず書く、舞台美術の話をして終わりにします。

自分はオトムギ舞台観劇の自分的初日に、必ずすることがあります。

それは、開演よりだいぶ早く劇場に入り、奨伍さんの前説が始まる前に舞台に近づいて、田中敏恵さんの作った舞台セットをじっくり見ることです。

今回もそれをやりながら、「どうして自分はこんなに田中敏恵さんの創る舞台美術に惹かれるのだろう?」と考えていたら、この気持ちを言い表す言葉に、不意に気づいてしまいました。

この気持ちは、「恋」です。自分は田中敏恵さんの舞台美術に、ずっと「恋」しているのです。

太田善也さん脚本、ハロプロ研修生主演の舞台『図書館物語』を観に、久々に池袋のシアターグリーンに行ってきました。


劇場に入って美術セットを見て、木材のような造形物の角度をながめていたら気づきました。

舞台美術は、やはり田中敏恵さんでした。


今から10年前、東日本大震災後の半年もたたないうちに放送された、とんでもないアニメがありました。

この「とんでもない」は、1000%いい意味の、とてつもなく不可思議で面白い、という「とんでもない」です。

そのアニメの名は『輪るピングドラム』。

この作品が、10年の時をへて、再び放送されています。

BS11で始まったその再放送は、観るという選択肢しかありません。

10年前にはこの作品をまだ観ていなかった若い世代が、どう感じるのかも気になるところです。

とにかく、楽しみが1つ増えました。

生存戦略~~~!



4月からの番組クールで、一番楽しみに観ているドラマが、松たか子さん主演の『大豆田とわ子と三人の元夫』です。

少し陳腐な言い方になってしまいますが、“大人のコメディ”という印象があるこのドラマ。

何よりも主演の松たか子さんの芝居が絶妙です。

元夫役の三人(松田龍平さん・岡田将生さん・角田晃広さん)もそれぞれに、欠点があるもののどこか憎めない人物を好演しています。

中でも岡田将生さんが、今まで彼が演じてきた人物の中で、一番面白い役柄を演じています。


今日放送があった第4話では、主人公である大豆田とわ子の親友を演じる市川実日子さんが、抜群によかったです。


あまり時間がないこともあって、ドラマやアニメのエンディングテーマの部分は、第1話の時だけ観て2話目からはたいてい観ないのですが、このドラマのエンディングは、つい毎回観てしまいます。

大人の麦茶の第28杯目公演を、また観てきました。

どうやら出演者たちの間では、この舞台は「後よろ」と呼ばれているようです。


この芝居に、客演の鈴木ゆかさんが演じる“ゆっきー”(片桐友希子)という女性が登場します。

自分は、彼女の語るあるシーンが、この物語の中で一番気に入っています。

ゆっきー、いい女です。


千穐楽までに、もう1公演、観に行く予定です。

大人の麦茶第28杯目公演『お後がよろしくありますように』を、また観に行ってきました。


客演の女優さんの中に、堀江鈴(ほりえれい)さんという役者さんがいます。


今日観ていて気づいたのですが、自分はこの方の声が、とても好きです。

昨年の夏に予定されていた公演が中止となり、ようやくやってきた大人の麦茶第28杯目本公演、『お後がよろしくありますように』が、下北沢のザ・スズナリで開幕しました。


大人の麦茶はいつの間にか20年とのことですが、自分がこの劇団の舞台を観るようになってからでも、もう15年になります。

その間、オトムギの芝居はいつも、100%の善と100%の悪の間にある何か、100%の美しさと100%の醜さの間にある何か、100%の賢さと100%の愚かさの間にある何かを、描いてきたように思います。

それは、一本の物差しの中間のあるメモリ、という単純な話ではなくて、もっと曖昧でとらえどころがない「何か」なのですが、観ているこちらの中の「どこか」を揺さぶって、また劇場に足を運ばせる「何か」です。

今回の公演も、初日を含めて何公演かチケを予約してあるので、その「何か」を探す旅を、しばらく楽しみたいと思います。


少しだけ、ネタバレのない初日感想を書かせていただくと、まずは今回も、客演の皆さんがとても魅力的です。

特に客演女優陣の中では、藤田怜さんが印象深かったです。

また客演男優陣では、久々にオトムギに帰ってきた磯和さんが、なんだか化けていました。

そして毎度のことながら、田中敏恵さんの舞台美術には、魔法がかかっています。


今回の公演は、新劇団員の今川宇宙ちゃんにとっての、団員としてのお披露目公演です。

宇宙ちゃんが今まで関わってきたオトムギの舞台を年代順に追ってみると、偶然なのか意図的なのかはわかりませんが、最初に参加した公演ではまだ少し物語世界の周辺寄りにいた役柄が、参加する作品が重なるにつれて、少しずつ物語世界の核心部分に近づいてきている印象があります。

今回の彼女の役がどの辺りにいるのかは、劇場でどうぞ。

きっと新しい今川宇宙が見れます。


最後になりますが、自分は演劇の素人なので、「スイッチャー」というのがどういう仕事なのか、わかりません。

ただ、その仕事をした方が、自分を喜ばせたことは確かです。