宿澤広朗氏とマーシャル・ゴールドスミス氏
---マネジメント・・・の迷い道---
---マネジメント・・・の迷い道---
♪部下と競わない
都銀の専務を務められた宿澤広朗氏の言葉の一部です。
次のくだりの中の一節。
「重要なポイントは決して部下と競わない事。どの組織にも自分より優秀な人材はいる。彼らと張り合っては駄目だ。だが、これは案外難しい。私は優秀な人材が能力を発揮できる環境づくりに専念している。」
チームの中で、言葉尻をとらえて、「なんだ!」「何!」「(心の声)このやろ!」と切り返していては、対話は成り立ちません。
そして、もうひとつの言葉、マーシャル・ゴールドスミス氏の「リーダーの悪癖」の一節です。
♪腹を立てている時に話す (7番目)
(意識、無意識に関わらず)「部下と競う」ような姿勢で、「腹を立てている時に話」されては、受け手にとっては「嵐」です。
「嵐」が過ぎ去るのを待つしかない。
ご参考まで・・・。
マーシャル・ゴールドスミス氏が言う「リーダー」の「20の悪癖」は、以下。
♪
1. 極度の負けず嫌い
2. 何かひと言価値を付け加えようとする
3. 善しあしの判断を下す- 4. 人を傷つける破壊的なコメントをする
- 5. 「いや」「しかし」「でも」で話を始める
- 6. 自分がいかに賢いかを話す
- 7. 腹を立てている時に話す
- 8. 否定、もしくは「うまくいくわけないよ。その理由はね」と言う
- 9. 情報を教えない
- 10. きちんと他人を認めない
- 11. 他人の手柄を横取りする
- 12. 言い訳をする
- 13. 過去にしがみつく
- 14. えこひいきする
- 15. すまなかったという気持ちを表さない
- 16. 人の話を聞かない
- 17. 感謝の気持ちを表さない
- 18. 八つ当たりする
- 19. 責任回避する
- 20. 「わたしはこうなんだ」と言いすぎる
・・・・・。
当てはまりすぎて、心が痛む方も少なくありません。
さて昨今・・・、
「生産性を高めること」が課題となっているように見えます。
国は、労働時間などの規制緩和を検討し6月にまとめる成長戦略に盛り込む意向のようです。
思い起こせば、第一次安倍内閣の頃「ホワイトカラー・エグゼンプション」は廃案になっています。
安倍さんの再挑戦です。
「残業手当ゼロ化」・・・管理職でない年収1000万円超クラスや、労使協定をもとに全社員にも適用可とのこと。- 「高すぎる人件費の削減」の一環として「残業手当の廃止」を行うのは「企業の生産性向上と国際競争力回復」のためとの一部の企業経営陣や学者の高らかな主張も聞こえてきます。
それに対して、「過労死推進」に反対との声も・・・。
政策とは、次元が違うのですが、(日本の)「マネジメントの質」が問われているように思えます。
今の、極、一般的な日本のマネジメントの質で(そのレベルのステージで)、残業手当ゼロ化が理想的に導入されるのでしょうか。
政権から発せられるメッセージを聴くにつけ、「今のマネジメントの質で導入できるのか」との考えが浮かぶとともに、なぜか、上記の宿澤氏とマーシャル・ゴールドスミス氏の言葉が頭をよぎりました。
マネジメントの迷い道から抜け出せていない日本の課題は、現場であり、経営であり、かつ政策でもあるのでしょう。
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