---鬼門談義(1)---
~猿のしゃれこうべ・京都御所~
鬼門。北東を鬼門、南東を裏鬼門として、住居、都市づくりなどに留意してきました。
由来は、諸説あるものの。
①東北からの寒風、寒さいわゆる寒気への恐れ。
②中央政府の敵の存在。
③中国においては、裏鬼門方位から、流行する熱帯・亜熱帯の疫病への恐れ。
いずれにしても、安全、安心を損なうことへの恐れが本能的に、経験的に蓄積されたことが推測されます。③についてですが、現代の中国では鬼門を特別視し恐れることはありません。
①住宅設備において、サッシなど密閉性の発達。エアコンなど室温調整機能の獲得。
②東北に限った敵は存在しません。国としては四方八方との交渉が必要です。
③疫病の解決策は、医療です。
住居においては鬼門に限らず、衛生面で留意すれば良いと考えます。気にしすぎてはなりません。文化としての鬼門を扱うことにしましょう。あるいは、自然への敬意として扱いたいと考えます。
鬼門除け、鬼門封じとしてお札などを見かけます。
先日、迫力あるというか、たじろいでしまう「鬼門除け」を見る機会がありました。なんと「猿のしゃれこうべ」です。
荒縄で2つのしゃれこうべを繋いでいます。
猿は鬼門封じに用いられてきました。方角に干支を配して「丑寅」の反対方向「申」を、守りの象徴としたようです。
丑の「角」、寅の「牙」。「角」「牙」は鬼の象徴。しかも鬼はパンツは、しましま、寅柄です。そんな「鬼」を退治するために桃太郎は「申」を連れて行きました。とにかく「鬼」には「申」をあてます。
次の写真は京都御所の鬼門。
写真の赤丸の箇所を拡大すると。
御所の東北の角、猿が辻にも申を配置しましした。
写真の赤線ようにあえて欠けをつくりました。
本来ならば、青線です。
手間を惜しまず、鬼門除け、鬼門封じです。申の置物があります。
猿の置物はこれまでも、目にしたのですが、冒頭の写真、鬼門除けに猿のしゃれこうべは初めて見ました。民家で保存されています。
迫力があります。
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