なんと気がつけばついに、
暦の上ではディセンバーではないですか。
――いや『あまちゃん』はちゃんと見てました。
某所に書いたショートショートをご存知の方は
たぶん十分お察しかとも思われますが。
さて、12月といえばクリスマスです。
加えてまあ、このブログも開設から
無事一年を迎えることができましたので、
諸々感謝の意も込めて、またぞろ、
プレゼント企画などやってみようかと
ふと思い立った次第であります。
夏に全体のレイアウトをリニューアルした際は、
単行本『ビザール・ラヴ・トライアングル』の
サイン本を、読者登録いただいた中から抽選で
五名の方に、という形でやらせていただきました。
で、今回はこちらになります。
ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ/浅倉 卓弥
¥1,512
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09年の刊行のものなのですけれど、これを二冊、
御希望の方にはサイン本として、まあなんとか、
クリスマスまでにお手元に
お届けできないかな、と目論んでおります。
で、この本ですが、実は相当すごいんです。
一見すると自画自賛のようですけれど、
ていうか、ひょっとしてそのようにしか
見えないかもしれませんけれど、そうではありません。
これ実は、
僕が関わっていないところがすごいのです。
まず何より。
この表紙の下の方のウサギたちですが、
なんと金子國義さんから挿画をお借りしています。
この方がどれほどすごいかは、
調べていただければすぐに
わかるかと思いますけれど、
『アリス』を題材にした作品の表紙を、
この金子さんの画で飾っていただけるというのは、
たぶん我が国においては、
これほど光栄なことは
ほぼないといってもいいかもしれません。
本当に幸運なテキストになったなと思っています。
さらに。
実は金子さんの画は、表紙のみならず、
本文の一番最後にも登場しています。
しかも四色で。
結構ないい紙に印刷してありますので、
これだけでも、見て楽しむ価値が十分に
あるかと思われます。
まだあるのです。
ここから先は、ひょっとして
日頃あまり印刷と縁のない方には
ややチンプンカンプンかもしれませんが、
この本、カヴァーと帯とに同じ紙を
使用しているのですけれど、
のみならず、色味のずれを最小限にするため、
両者を同じ台で印刷し、それをセットにして
本体をくるむような作り方をしています。
詳しいことは省きますけれど、
こういうことをすると、
まず紙の裁断の仕方からしてが違ってきます。
少なくともレギュラーの設定ではできません。
さらにですね、一部本文頁を
二色で印刷している台まであります。
すぐには気づかないようなところではありますが、
でも普通の一般的な文芸書で、
本文頁を二色で刷っているものというのは、
たぶん他にはないのではないかとも思います。
ここまで凝った装丁は、
なかなか作ってもらうことができません。
この御時世ではなおさらでしょう。
本当にこの時の担当さんは、作品をとても
気に入って下さっていたのだと思います。
ややご無沙汰をしてこそおりますが、
当時も今も変わらず大変感謝しております。
さて、少しだけ中身についていえば、
正直自分でも些か羽目を外し過ぎたかと
時に思わないでもありません。
まあ、こういうのもありだと思っているから、
最後まで仕上げてはいるのですけれど。
ちょっと普通の小説とはいいがたいです。
ただ、ここでの僕の際限のない洋楽話に
ついてきて下さっている向きであれば、
ひょっとしてそれなりに
楽しんでいただけるかもしれないな、と
まあそんなことを思いついて、
今回はこれをチョイスした次第です。
端的にいって元ネタをビートルズから
拾ってきている箇所が多いんです。
だから、知らないとわからない表現が
随所にあるんですね。
同書に関し、ウェブで目にして、
書いた側としてすごく嬉しかった感想は
「しかし一体この作者、どんだけ
ジョン・レノンが好きなんだ」
といった感じのものでした。
たぶんこの通りの本だと思います。
応募方法や締め切りなどについては、
この記事の後、スタッフのA嬢の方から
詳しいアナウンスがあるかと思います。
では、それまでしばしお待ち下さい。