広島の画家で、生涯を通して、絵を描くことで戦争を、平和の尊さを伝えられた、四國五郎さんの追悼・回顧展に行ってきました。
広島出身でもなく、戦争も知らない、自分のことで精一杯な自分が、原爆のことを語るのは、恥ずかしい気持ちもあるし、あれこれと自分ツッコミしたくもなりますが笑、お1人にでも何か伝わればなあ、と思い書いてみます。
私が四国五郎さんを知ったのは、2年前に、日銀跡地で開催された回顧展に、ふらりと寄ったのがきっかけでした。「おこりじぞう」の絵本でご存知の方も多いのではないでしょうか。
四国さんの絵を初めて見て、私にとっては、ただひたすら、怖くて、平べったい、ただの歴史だった「原爆」が、初めて、自分に起きた事のように迫って、感情に、感覚に訴えかけてきたのでした。
そして、素晴らしい絵の才能を、全て平和の為に捧げられた四国さんの人生にも、感銘を受けました。
今日の回顧展では、四国さん直筆の日記など、「読む」展示が多かったのですが、信じられないような状況が、生々しく伝わってきました。
このような現実を知ること、自分のことのように感じることは、けして楽しい気持ちでは無いし、えいっと、気合が必要です。
永田浩三著「ヒロシマを伝える」
読もう読もうと思いながら、ページを開く「えいっ」がなかなか出来ず、恥ずかしながら、最近ようやく読ませていただきました。「原爆」を伝えること、多くの方々の想いをひしひしと感じながら、一気に読みきってしまいました。広島に少しずつ慣れてきた私には、知っている地名が沢山出てきて、余計にリアルに感じるものがありました。
被曝者自身が描いた絵も沢山展示されていました。黒焦げになった子供を背負って歩く歩く母親の姿には、胸が張り裂けそうになりました。本当につらい。どんなに悲しい気持ちだったことでしょうか。
平和を守っていくためには、原爆、戦争が産んだ悲しみの灯、平和への想いを集めた灯が消えないようにするには、やはり、この辛い事実を伝えていくことが、どうしても必要なのだと思います。
息子の光さんはじめ、四国さんの想いを伝える努力を続けていらっしゃる皆さんのご努力は、本当に素晴らしく、心から尊敬の念でいっぱいです。
どうか、二度とこんな哀しい歴史が繰り返されませんように。
子供たちが、元気に走り回れるような世界でありますように。