「覆面企画」,作品公開 & Dブロック | 心に翼、黒くてカギ爪つき by 麻生新奈

心に翼、黒くてカギ爪つき by 麻生新奈

読んだ小説、書いた小説の話題が、メインです。

「覆面企画」の作品が公開された。
なんと71作品。これだけの作品に対して、1通ずつ受領メールを発信し、HTMLに起こし、さらに確認メールまでやりとりなさった、主宰のねこK・Tさんには、参加者の一人として、心から感謝と、某サイトで企画も試みてきた身としての尊敬を。


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推理の期間が限りあるなかで、会社の1時間の昼休みは、勤め人には貴重な時間。
ところが、会社からは、よくある掲示板…推理掲示板もそうだ…にはアクセスできないよう、制限がかかっている。

というわけで。申し訳ないながら、私は、こちらで感想などを書き、掲示板にはリンクだけ置かせていただこうと思う。

当方のポリシーはこんな感じ。

1)自分のブロックは後まわし(自作品の扱いが面倒だから)←「め」族w
2)思いいれのある書き手さんのいらっしゃるブロックから着手。
3)掲示板が作品感想中心になっているが、それに加えてできるだけサイト訪問メモを残す。
4)多少口調がぶっきらぼうなのと辛口になるのは、数をこなすためもあり、“素”もありww (勝手に)許していただくことにする。
5)はずれてもいいので(というか、いっそ潔くはずれる覚悟で←まぞ)推理はできるだけする。第5候補までつくとかいうふざけた推理は推理と呼ばない、という抗議は却下とする。「この作品で当たらないなんて!」「あの作品の作者と思われるなんて…」という事態もありうるが、この企画に参加なさる方はその程度のリスクは考慮済みでいらっしゃると決め付けてみることにする。


 お断りするまでもないことだとは思うが、小説には好みもあり、好み以外にも読み分けの得手不得手がある。私は根はSF者で、現代もの、とくにラブストーリーになるとテキメン区別がつかなくなる。推理先延ばしにしたものが、後からこなせるか、いささか自信がないが、なにとぞお許しを願いたい。

 最初の着手は、うひょさん、ADあきらさんのいらっしゃる、Dブロック。


Dブロック
No 作品タイトル
D-1 青い花事件 :美しい少女と、机におかれた青いユリ。「学校に来なくなった生徒が複数いる」というあたり、多くのことが語られずに終っているような。20枚の制限が厳しかったか。
D-2 赤い誘い :上流から流れてくる赤い花。村に受けいれられていない少年、泳げない狩人。何時とも何処とも知れない物語に、赤い花だけをスポットライト的に鮮やかな視覚描写をした点が印象的。
D-3 永遠カノン :グラジオラスの花を抱え、階段から落ちる少女。繰り返される同日。夢(?)の中での主人公の変化と現実が、どの程度リンクしているのか? …要再読か>自分
D-4 黄色いバラ :死に瀕した詩人と黄色いバラの婦人の思い出。欧州貴族的で、ややデカダンな雰囲気が、うまく描きだされている。
D-5 サクラソウ :サクラソウの花言葉を検索すると「若い時代と悲しみ・顧みられない美・絵画・貪欲・初恋・勝利・富貴・神秘な心・うぬぼれ」と出た。どれを指していたのだろう。2年前の後悔云々も、不明部分あり。
D-6 さよならのかわりに― :スイトピーの花を別れの言葉に代える男と、女のいらだち。やや苦い物語。
D-7 白いバラをあなたに :モデルの彼女と、彼女の成功に戸惑いぎみの恋人、というところか。自信を失いがちな男に、クールビューティなヒロインが、毅然とカツをいれる方法がカッコイイ。
D-8 ダイアローグ45min :なかなか会えない恋人どおし。忙しい彼女に手渡すキンモクセイ。
D-9 手向けの死人花 :飢饉の年、死んだ家族に会うために、社(やしろ)に花を捧げる少女。ラスト1行の花の描写は、「花」という題材を印象的に生かしている。
D-10 野に咲く一輪を :美しい女性、立てこもる男。ホラー的。改行が特徴的。
D-11 花降る国へ :花が降る国があると聞いた少女は、花を探しにいく。出あった男が見せたものは……。作者は少なくともサイエンス嫌いではないはず。
D-12 バベルの塵 :バベルの塔のバランスを支えるべき鉄球に住む主人公の、小さな裏切り行為は、花を保存することだった。象徴のようでもあり、意味を探してはいけないものようでもある、鉄球や花、辞書や絵画。
Dブロック
ハンドルネーム ウェブサイト
ADあきら Creative Infinity :私がかなり読んでいるサイトさん。第一候補『花降る国へ』第二候補『ダイアローグ45min』
moes moon away :初見。改行がかなり特徴的なので、『野に咲く一輪を』かと。
nekoi 猫のあしあと。 :初見。明るい雰囲気のファンタジー系サイト。メインは一人称か? 『赤い誘い』/『永遠カノン』。
朝希 萌 AQUA WORLD :初見ではないが、コンプリートにはほど遠いサイトさん。ファンタジーあり現代あり、か。
うひょ UN ART-FICIAL STORIES 私がかなり読んでいるサイトさん。第一候補『バベルの塵』第二候補『黄色いバラ』…自信なし。
川辺都 雨月 :初見。SFあり現代あり。文体の倒置に、少し癖があるようにも思うが…。申し訳ないが、推理先伸ばし。
楠根 隼人 天空の城 :初見。恋愛小説系らしい。さわりを読んだだけなので、傾向まではわからない。ただ、テスト云々とあるので、学生さんと思われる。申し訳ないが、推理先伸ばし。
サツキシノブ 青い路地裏 :初見。SF~ファンタジー。『手向けの死人花』/『赤い誘い』
広河 陽 ふみかばんのほーむ :初見。SF系らしい。入り口がわからない(汗) 『秘密は花園に眠る』のみ、一気通読。第一候補『永遠カノン』第二候補『赤い誘い』
ほたる 彩色分光 :初見。SFあり現代あり。文体はしっかりしたもので、バラエティも豊かそうだ。推理は難しいが、いちおう、『黄色いバラ』で。
マル太 たまには道草いつも道草 :初見。14年前に小説を書き出した、ということなので、大人組。申し訳ないが、推理先延ばし。
柚井ユズル 居眠り庵 :初見。SFあり現代あり。義弟との恋愛もの『もつれた絆』、和風ホラー『狂鬼乱舞』を拝読。この2作に限定すれば、トーンは暗めだが、それ以外の作品はわからない。『手向けの死人花』/『赤い誘い』 か。