皆さま、おはようございます!
現在、建設が進められている群馬県の八ッ場ダム。
当初は平成27年に完成する予定でしたが、
大人の事情で竣工が遅れていることは周知の通りです。
しかしながら、ダム底に沈む
吾妻線の一部区間の移設工事は計画通りに進みまして、
今年の10月には新線への付け替えが完了しますの。
ダム底に沈むのは吾妻線だけではなく、
開湯800年の歴史を持つ川原湯温泉も運命を共にし、
歴史の幕を閉じることになったのですよ。
…と同時に川原湯温泉は装いも新たに高台に移設。
最後まで従来地で営業を続けていた共同浴場・王湯さんも
6月末いっぱいで営業を終え7月5日から新館に移られるとのことです。
古い温泉街の風情を残していた現在の川原湯温泉。
残り1週間となった王湯さんの湯に浸かりに行ってきましたぜ☆
まずはこちら、やはりダム底に沈むことになった、
吾妻線の川原湯温泉駅からスタートです。
奥には新たに架けられた道路橋が見えますけど、
橋脚に見える下側のラインがダムの水面に当たる部分なんですって。
話には聞いておりましたけど、
ダム底になる地点にこうして立っていることが
不思議な気持ちでなりません。
こちらは川原湯温泉駅の中に揚げられている案内看板です。
数多くの温泉旅館が描かれておりますが、
高台に移設した旅館がある中で、
これを機に営業を止めてしまったところも少なくないようです。
新拠地は泉質変わってしまったそうで、
今後の営業に不安を持つ旅館さんも多かったらしい。
川原湯温泉駅から300メートルほど西に進みますと
川原湯温泉郷の入り口が出てきました。
それでは王湯さんのお湯に浸かってきますぜ~!
坂道をぐんぐん登って、登って、登って…
登り切ったところに王湯さんがありました。
自分がお邪魔したのは夕方でしたけど
この時間でも、別れを惜む観光客の皆さんが大勢いらっしゃいました。
記念にタオルを買って帰られるだけの方もおりましたが
自分はもちろん入りましたよ。
入湯料は300円です。
カウンター越しに見えるタマゴはひょっとして…?
それでは露天風呂にれっつらご~!
いや~、この雰囲気が堪りませんな。
階段を降り切った一番低いところに露天風呂がありました。
もちろんお風呂は男女別ですよ。
男湯はおっさんが2人だけでした。おっさん、
「カラダをきちんと拭かずに風呂出た輩がいる」
ってブツブツつぶやいてましたけど、
自分も普段、ちゃんと拭かない方ですので、どうもすみません。
これは絶対にやめましょうね。茹でブタになっちゃいますから。
気持ちよく温泉を楽しんだ後は、
どうしても気になっていたアレのことを王湯のおばちゃんに聞きました。
カウンター越しの「生タマゴ」のことです。
おそらくは温泉たまごを作るためのものだと思いますけど…
「これね、この上にある新源泉のところで温泉たまごが作れるのよ。
20分くらいでやわらかいヤツが出来るから。
ちょっと硬めだったら30分くらい待っててね。」
やはり!
成分の半分がタマゴで出来ている、タマゴ好きの自分としては
これは避けて通ることが出来ないイベントです。
生タマゴを買って、さっそく新源泉とやらに向かいましたぜ☆
奥に見える鳥居の突き当りに新源泉があるらしい。
新源泉、ここっすね。
温泉たまごを作られている先客さんがいらっしゃいました。
地元から来られた方かしら?
温泉たまごの大量生産!?
ひょっとしてプロの温泉たまご作り職人?
「温泉たまごが量産の暁には連邦なぞあっという間に叩いてみせるわ」
などと、ドズルみたいに呟こうとしているのだろうか?
そんな職人さんの脇で
自分も先ほどゲットしたてのタマゴを広げ始めました。
まずはタマゴをカゴに入れて…
そのカゴを温泉にドボン。
ここで待つこと20~30分。
仙台に持って帰ることも考えると痛まないよう熱を通した方がイイので…
とすると30分かな?
そんな様子を見ていた職人さんが自分に対し、
「何分ぐらいで出来るか知ってるか?」って尋ねてきたんです。
さっき、おばちゃんから30分って聞きましたけど…
30分?カチカチの茹でたまごを作りにきたの?
半熟たまごを作りに来たんでしょ?
いえ、半熟たまごじゃなくて温泉たまごです。
15分でいいから、15分ね!
ウチらプロだから信用して!15分だからね!
やっぱりあなた方、職人さんでらっしゃいましたか。
こうしてありがたい助言を告げると、
職人さんはさっとタマゴを引き上げて帰る準備に取り掛かりました。
足湯を楽しんでいたおばあちゃん、帰るのが名残惜しそう。
ありがとうございました~!
職人さんは手を振って、さっそうと麓に降りて行きました。
後ろ姿がカッコよすぎですぜ、温泉たまごの達人!
誰もいなくなったとことで茹で始めてから15分が経過。
my温泉たまごも無事に出来上がりましたよ。
楽しかった時間は過ぎるのも早いもの。
川原湯温泉での時間はあっという間に終わってしまいました。
帰り道で見た、かつて賑わいを見せていた温泉郷、
立ち退きを終えた残骸が寂しさを隠し切れません。
こんなステキな風景がダムの底に沈むなんて…
王湯さんの営業は今月、6月末までです。
入湯の際は、温泉たまご作りにもぜひチャレンジしてみてくださいね。
ちなみに待ち時間は15分です。
美味しい温泉たまごを戴くことが出来ました。
川原湯温泉の温泉たまご職人さんに幸あれ!