皆さま、おばんです!


JR東日本・足尾線から移管され、

第3セクター化されたわたらせ渓谷鐡道。

開業時から活躍していたわ89‐101が、

この3月31日に引退するそうです。

わ鐡のHPをチェックしてみたら、引退を記念して、

新製時の2トーンカラーに復元されるみたいですね。


歩王(あるきんぐ)のLet’sらGo!-d01280

手前の車両が今回引退するわ89‐101です。


今回引退するわ89‐101ですが、

わ鐡生え抜きの車両(開業時に新製された5両のうち4両は廃車済)

という点はもちろんですが、
現役のLE‐CarⅡという点でも貴重な存在なのですよ



LE-Car…わかりやすく言えばレールバスのことなんですけど、

車体やエンジン、架装部品にバスのパーツを多用することで、

車両コストだけではなく、

維持コストや燃料費も軽減させちゃおうってのが、

この車両の開発コンセプトなのです。


その昔、

南部縦貫鉄道のレールバスの製造を手掛けた富士重工が開発を担当、

当時、赤字で悩む閑散路線向けに、

実に20年ぶりに試作した軽快気動車が、

このLE-Car(Light Economy-Car)でした。


ちなみにこちらが、

昭和37年に製造された南部縦貫鉄道のレールバスです。
歩王(あるきんぐ)のLet’sらGo!-c03311

初代LE-Carは昭和57年に試作されたんですが、

スタイルは20年も前に製造された南部車にそっくりですよね。
歩王(あるきんぐ)のLet’sらGo!-d01283

鉄道ファン 通巻255号(1982年7月号)より


どことなく古臭いスタイルのLE-Car、

試作車とあってか、営業線には姿を見せなかったんですけど…

果たしてどこかで現存してるんでしょうか?



その後の昭和59年に富士重工は、

車体の大型化と近代化より営業線向けなアコモデーションを備えた

LE-CarⅡを登場させました。


こちらは試作車をまず最初に名鉄八百津線に導入、

優れた経済性が認められて活躍の場を全国の第3セクター線に、

瞬く間に広げたのですよ。


ちなみにこの試作車(キハ10)の同形車が、

のちにくりはら田園鉄道に譲渡されまして(形式はKD10に変更)、

今でも保存されているのが嬉しいですよね。
歩王(あるきんぐ)のLet’sらGo!-d01281

歩王(あるきんぐ)のLet’sらGo!-d01282


LE‐CarⅡは当初の2軸車からボギー台車付の車両へ、

車体もバラエティ豊かに展開していったんですけど、

所詮は簡易構造の車体の車両、寿命も短いようで、

最近は廃車になる車両も目立ってきました。
歩王(あるきんぐ)のLet’sらGo!-d01285


元気だと思っていたいすみ鉄道200’形も、

いつの間にか4両にまで減っていたんですね…。
歩王(あるきんぐ)のLet’sらGo!-d01284

写真の203も廃車になっていたとは…



富士重工も鉄道車両の製造から撤退し、

軽快気動車も従来からの鉄道車両の車体構造を持つ、

LE-DCシリーズに移行してしまった現在、

わ89‐101の存在は本当に貴重だと思います。


既に保存が決定しているようですけど、

まずは現役のうちに乗りにいかないと。


軽量車体ならではの軽快な走りをぜひ、

堪能してみてくださいね!