皆さま、こんにちは!
家族サービスでどっかに行こうと思いまして、
「鉄道日帰りの旅」を提案したところ、
「ありえない」の一言であえなく却下です。
行く当てもなく、ジャスコで買い物…
なんて過ごし方をするんだったら、
のんびりと車窓を眺めながらのひと時も、
素晴らしい時間の過ごし方だと思うんですけどね。
そんなことでブログにするネタもなく、
またも昔の写真を引っ張り出してきました。
ところで皆さんは、家畜車(かちくしゃ)って、知ってます?
読んで字のごとくなのですが、
鉄道用語としては主に、
牛ちゃんやヤギちゃんを運ぶ車両を言います。
豚ちゃんには特別に豚積車なる専用車両が用意されました。
これらの車両、
牛ちゃんや豚ちゃんに旅をさせる訳じゃなく、
”食材”としての彼らを運ぶのが目的なのでした。
初期には「彼ら」を監視するために人間も同居できる、
共住型車両もありましたが晩年には姿を消し、
トラック輸送に代わる形で
昭和40年代後半にはすべてが消滅したのでした。
昔の「鉄道図鑑」を見ると、
「様々な貨物列車」のページには必ず家畜車が掲載され、
紹介はされるも、
実車は見ることのない車両のひとつでもありました。
そんな「家畜車」がなんと、
平成5年まで残っていたという事実に驚きましたよ。
号数は忘れましたが、
平成4年辺りの「レイルマガジン」に連載中の
「トワイライトゾ~ン」の記事でした。
このコーナー、鉄道にまつわる謎解きがテーマで、
あらゆる鉄道雑誌の記事の中でも、
ダントツで好きなコーナーなんですよ。
ど~しても「家畜車」を見たくて、休日にクルマを飛ばしましたよ。
場所は、岩手県盛岡市にある盛岡鉄道学園跡地です。
JR盛岡駅の西口にあるのですが、
現地についてみると、本当にびっくりしました。
だって、学園の建物がすべて撤去されていたんですもん。
でもどういう訳か、
彼だけはしっかりとその地に腰を据えてました。
周りは見渡す限りの空き地が広がっております。
戦前製の貴重な家畜車ってことで、
保存されるのかな?
…というにわかな期待を持ちました。
家畜車カ1528(形式:カ1500)です。
2段リンク式の足回りを持ちますが、
ヨンサントウ以前に除籍されたみたいです。
ちなみにヨンサントウ(43年10月のダイヤ改正)では、
2段リンク構造を持たない2軸貨車は、
時速65キロの走行制限を受けたために、
その殆どが北海道や一部の特定路線に封じ込められ、
本州の本線上からは姿を消したのでした。
それにしてもこの車両で、多くの牛ちゃんが、
生まれ育った故郷発・食卓行の旅に出たかと思うと、
本当に胸つまされる思いです。
あっ、自分、焼肉大好きですよ!
ちなみにこの車両、
撮影の翌年には現地で解体されたんだそうで。
合掌。