ヴァージニア・リー・バートンの『ちいさいおうち』 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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現在、竹中工務店東京本店ビル1階にあるGallery A4 (ギャラリーエークワッド) では、
建築つながりで (?) 、“ヴァージニア・リー・バートンの『ちいさいおうち』” が開催中です。

あ4


1942年にアメリカで発表されてから、今なお時代と国境を越えて愛されている絵本 『ちいさいおうち』。

絵本


その作者であるヴァージニア・リー・バートンにスポットを当てた展覧会です。

ヴぁーじにあ


会期は8月9日まで。
入場料は無料です。
無料の展覧会だから内容もそれなりに・・・ということは決してありません!
竹中工務店が運営の母体であるだけに、会場は実にしっかりと作り込まれていました。

しっかり
しっかり


展示品はレプリカではなく、もちろんホンモノ。
展示されている 『ちいさいおうち』 の原画も、もちのろんでホンモノです。

もちろん
もちろん


さらに、ファンならずともテンションが確実にあがるのが、『ちいさいおうち』 の再現展示。

『ちいさいおうち』
『ちいさいおうち』


本気度がハンパではありませんでした。
しかも、ここも含めて、展示室内は写真撮影可。
これは、撮りたくなるはず。
FacebookやInstagramにあげたくなるはず。

お金の話ばかりで恐縮ですが、これで無料とは驚きが隠せません。
デパートの催事場で600円くらいで開催されていてもおかしくない内容。
満足度の高い展覧会でした。
星星


ところで、表紙を目にしたことは何度もあるものの、
実は、これまで一度も 『ちいさいおうち』 を読んだことはありませんでした。
会場に閲覧用の絵本があったので、読んでみることに。
ネタバレを避けるために、内容は伏せますが、
一言で言えば、建築家や建築に携わっている人は涙なしで読めないストーリーでした。
たぶん竹中工務店の社員全員が、この絵本に感動したのでしょう。
だから、展覧会にあれほど力が入っていたに違いありません。


また、展覧会では、ヴァージニア・リー・バートンの絵本作家以外の活動も紹介されています。
彼女は、彫刻家でもあり、

彫刻


イラストレーターでもあり、

イラスト


そして、優れたテキスタイル作家兼インストラクターでもありました。

テキスタイル


バートンを語る上で欠かせないのが、
「フォリーコーブ・デザイナーズ」 というクラフト職人グループ。
バートンが自分の子供にバイオリンを教えて欲しいと近所の女性に頼んだところ、
バイオリンを教える代わりに、私にデザインを教えて貰えないかと頼まれたのだそうです。
その女性から口コミで評判が広がり、自分もデザインを習いたいという主婦たちが続出。
バートンは、主婦向けのデザイン教室を主催することになります。
それが、「フォリーコーブ・デザイナーズ」。
単なる主婦向けのデザイン教室というレベルを超え、
ここで生まれたテキスタイルは、全米から注文が届くほどだったとか。

テキスタイル


そんな伝説の 「フォリーコーブ・デザイナーズ」 のテキスタイルの数々も展示されています。
そういう意味では、建築ファンだけでなく、
テキスタイルファン (マリメッコ好きな人は特に!) にもオススメの展覧会です。




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