日本近代洋画への道 山岡コレクションを中心に | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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現在、中村屋サロン美術館では “日本近代洋画への道 山岡コレクションを中心に” が開催中です。

“日本洋画の父” と呼ばれた高橋由一の 《鮭図》 にはじまり、

高橋由一


日本洋画界の重鎮・黒田清輝、

黒田清輝


28歳で夭折した悲劇の天才画家・青木繁、

二人の少女


日本の洋画壇において長らく指導的役割を果たした藤島武二など、

観桜会


日本近代洋画界のオールスターが勢ぞろい。
作品数は約30点とコンパクトですが、内容はギュッと詰まった展覧会です。
星


さて、これらの作品は、なんと一人の人物がコレクションしたもの。
そのコレクターこそ、山岡孫吉 (1888~1962) です。

「・・・・・・・何者?」

と思われた方も多いでしょう。
実は、世界で初めて小型ディーゼルエンジンの実用化に成功したあの会社の創業者。
そう、




山岡発動機工作所、のちのヤンマーディーゼル株式会社の創業者なのです。
まさかヤンマーの創業者が、これほどまでの日本近代洋画コレクションを形成していたとは!
いやはや、不勉強でした。


ちなみに、今回出展されていた中で一番惹かれた作品は、川村清雄の 《ベニス風景》

ベニス風景


曇り空からわずかに顔を覗かせる青空の表現が素晴らしかったです。
・・・・・ベニス感は、あまり感じられませんでしたが (笑)


また、個人的に印象に残ったのが、彭城貞徳 (さかきていとく)《静物》 という一枚。

彭城貞徳


「ビュッフェか!」 とツッコみたくなるほどに、大量のフルーツ。
静物画史上 (?) もっとも果物が描かれているのでないでしょうか?
しかし、まぁ、どれ一つとして美味しくなさそうですね。。。


最後に、『真田丸』 ファンにオススメの一枚をご紹介。
『真田丸』 では遠藤憲一が演じている上杉景勝は、
とにかく厳格で無口で笑顔を見せなかった人物であったのだとか。
しかし、生涯に一度だけ笑ったことがあるそうです。
日本一笑いに厳しい男の笑いのツボとは一体どんなものだったのでしょうか。
その場面を描いたのが、二世 五姓田芳柳による 《上杉景勝一笑図》 です。

上杉景勝一笑図


ある日、飼っている猿が、景勝の烏帽子を被り、
頭を下げたり身振りを真似するような動きをしたので、思わず景勝も笑ってしまったとのこと。
笑いのツボが、なかなかマニアック。




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