ビアトリクス・ポター生誕150周年 ピーターラビット展 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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今年2016年は、ピーターラビットの生みの親ビアトリクス・ポターの生誕150年の節目の年。

ポター0
ビアトリクス・ポター肖像写真 Courtesy of the Victoria and Albert Museum


それを記念して、現在、Bunkamura ザ・ミュージアムでは、
“ビアトリクス・ポター生誕150周年 ピーターラビット展” が開催されています。

展覧会
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


展覧会の目玉は何といっても、私家版、つまり自費出版された 『ピーターラビットのおはなし』。

私家版
ビアトリクス・ポター 《私家版『ピーターラビットのおはなし』》 英国ナショナル・トラスト所蔵


その貴重な原画です。
1点2点が来日するだけでも、十分にスゴいことなのですが。
今回は、なんと全44点フルセットで来日しているのです。
このようにまとまった形で公開されるのは、日本で初めてとのこと。

そんな貴重な原画の数々との初対面。
飛び跳ねるように、会場へと足を運びました。
その率直な第一印象は・・・

会場


「地味~!モノクロで地味~!」

僕の知ってるピーターラビットは、カラフルでモフモフなイメージ。
しかし、『ピーターラビットのおはなし』 第一号にあたる私家版は、モノクロで出版されたとのこと。
カラフルでモフモフなイメージとは、真逆でした。

ただ、最初こそ、モノクロのピーターラビットに戸惑ってしまいましたが。

ビアトリクス・ポター
ビアトリクス・ポター 《私家版『ピーターラビットのおはなし』の挿絵のためのインク画》 英国ナショナル・トラスト所蔵


よく見ていると、だんだんと愛らしく思えてきました。
動きすら感じられてきました。
《鳥獣人物戯画》 に近いものを感じます。


さて、私家版 『ピーターラビットのおはなし』 の原画以外にも、
ビアトリクス・ポターによる他の絵本の原画の数々も初来日しています。

会場

会場


こちらは、カラフル。
僕らのよく知るビアトリクス・ポターの作品世界を堪能することが出来ました。


これらの貴重な原画も、もちろん素晴らしかったのですが。
それ以上に素晴らしかったのが、ピーターラビットの世界観にこだわった会場作り。

ポスト

会場


ここが、Bunkamura ザ・ミュージアムであることを忘れてしまうくらい細部までこだわり抜かれています。
特に驚かされたのが、ビアトリクス・ポターの家の再現!

ビアトリクス・ポターの作

ビアトリクス・ポターの作


ここまで、やり切ってしまうとは。
御見それしました (←?)。
展覧会はまだ始まったばかりですが、早くも終わるのが惜しいと感じています。
星星


特に文句のつけようがない展覧会だったのですが。
あえて一つだけ言うとするならば、

音声ガイド


ディーン・フジオカが音声ガイド中に、ちょいちょい流暢な英語を披露 (?) していたこと。
若干イラッとしました (←イケメンに対する嫉妬も込みで) 。


さて、ピーターラビットと言えば、グッズ。
今回の展覧会でも、たくさんのグッズが販売されています。

売り場


それだけに、グッズ売り場が普通の展覧会のよりも、スペースが広かったです。
売る気満々です (笑)
オリジナルグッズも多数ありました。
そんな数あるグッズを制して、何よりも可愛かったのが、展覧会の図録。

図録


ジャケ買い必至です。
今年はまだ5か月残っていますが、“図録・オブ・ザ・イヤー” を贈呈したいくらいです。
そんな賞はないですけど。


最後に、個人的に印象に残った展示品を。

日本


日本で紹介された初期の 『ピーターラビット』 の数々です。
いわゆる、パチモンの (笑)
どれもヒドかったですが、「ピータロー兎」 のヒドさたるや・・・。
冒頭の文章は、こんな感じでした。

「昔 アルトコロニ、太郎 二郎 三郎 ピータ郎トイフ、四ヒキノ兎ガ、
 砂山ノ大キナ 松ノ木ノ ネモトニ オ母サント イツショニ 住ンデ井マシタ」


太郎、二郎、三郎と来て、ピータ郎って!そこは、四郎だろ!
腹違いの子どもである可能性が高いです。


著作権




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