特別展「キトラ古墳壁画」 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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現在、東京国立博物館では、 “特別展「キトラ古墳壁画」” が開催中です。
こちらは、奈良県明日香村のキトラ古墳の極彩色壁画を特別公開する展覧会。
壁画が明日香村以外で公開されるのは、今回が初めて!
そして、壁画が明日香村以外で公開されるのは、今回が最後とのことです。

そんな貴重な展覧会だけに・・・

行列


もちろん行列が発生しています。

ちなみに、平日の午後に伺いましたが、
会場に入るまでが30分待ち、会場に入って壁画に対面出来るまでが30分待ちという状況でした。
この状況は、会期終了の5月18日に近づけば近づくほど、悪化 (?) していくものと思われます。
こちらの展覧会が気になっている方には、
明日にでも、いや、今からでも足を運ばれることをオススメします。



さて、30分待って会場の中に入ると、まずは、壁にプリントされたキトラ古墳壁画がお出迎え。
そして、陶板で完全再現されたレプリカのキトラ古墳壁画と続きます。
なかなか本物は姿を現しません。
焦らしますね。

キトラ古墳壁画の実物は、まだ登場せず。
キトラ古墳から出土した遺物が展示され、
挙句には、壁画を取り外すためのダイヤモンドワイヤー・ソーなる機具までもが展示されていました。
キトラ古墳から出土した遺物は、予想していた以上には美しかったので、観れて良かったですが。
ダイヤモンドワイヤー・ソーに関しては、観なくても良かったです (笑)
なんというか、実物が登場するための場繋ぎとして紹介されている感がハンパではない展示品でした。


ではでは、いよいよキトラ古墳壁画とご対面です。
高松塚古墳の壁画と修理作業室にて対面した時には、ガラス越しの離れた対面でしたが。 (その模様は、こちら
今回は、 「立ち止まらないでください」 とのアナウンスは絶えずあるものの、
キトラ古墳壁画を見下ろすような形で、かなり間近で対面することが出来ました。
こんなにも近くで観賞できるということだけで、すでに十分に感動が。
とは言え、実物のキトラ古墳壁画と対面した時の感動は、

玄武  《玄武》


やはり、それ以上のものがありました!!

まさか、ここまで線や色がはっきり残っているとは。
亀の甲羅の文様もくっきり。
亀のとぼけた表情もばっちり見て取れました。


お隣の 《白虎》 は、胴の部分に汚れがありますが。
それでも全体像は、きちんと拝むことが出来ました。

白虎


虎としては、異様に長すぎる胴や
後ろ足に絡みつくほどに、ふさふさした尾っぽなど、見どころは多数。
キトラ古墳壁画の四神の中で、一番キャラが立っていたのは、彼でしょう。


そして、極め付きが、 《朱雀》 の色鮮やかさ。

朱雀


画像では、そう鮮やかな感じはしませんが。
実物は、ちゃんと色鮮やかです。
神聖な印象すらある色鮮やかさでした。


今回は、保存の観点から、残念ながら四神のうちの青龍は、明日香村でお留守番でしたが。
四神とも、姿がどことなく漫画チックだったことが、今回の一番の驚き。
『パズドラ』 か何かのアプリのゲームに、
そのままの姿で登場しても違和感ないくらいに現代的な感覚で描かれていました。

《玄武》《白虎》《朱雀》 以外には、十二支像のうち 《子》《丑》 が公開されています。

十二支 十二支


こちらに関しては、よ~く目を凝らしましたが、
イマイチ何が描かれているのかわかりませんでした (笑)




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