これは特別展か? | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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昨日 に引き続き、今回も東博をご紹介。


・・・あ、間違えました。

今年2011年より、東京国立博物館の略称は、

“東博” から、 “トーハク” へとリニューアルされたのです。


「なんじゃ、それ?」


と、思われた方もいらっしゃいましょうが。

これは、僕の個人的な話でなく、東京国立博物館の公式な見解。

ちゃんとHPやポスターでも、“トーハク” の文字が記載されています。

世の中に定着するかどうかは別として (笑) 、

公式な表記にのっとって、このブログでも、今年から、 “トーハク” の表記を採用することにします。



さてさて、リニューアルされたのは、略称だけではありません。

本館が大々的にリニューアルされたのです。


まず、今回の大きなリニューアルは、

本館12室と13室の日本工芸の展示構成とケース。

特に、漆工の展示室として生まれ変わった本館12室は、

とってもスタイリッシュな空間に、劇的大変身!


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-本館12室



まぁ、なんということでしょう。

漆芸作品が、暗闇に浮かび上がっているかのような幻想的な雰囲気に。



その他にも館内のサインがリニューアルされたり、

これまでの 「常設展」 と言う名称から、 「総合文化展」 へとリニューアル。



と、そんな大々的リニューアルを記念して、

1月16日まで、本館では、 “これは特別展か?” が開催中です。

まぁ、 「これは特別展か?」 と尋ねられましても、

「知らんがな!」 としか返しようはありませんが、、、 (笑)

ただトーハクの皆様が、尋ねたくなる気持ちも、わかります。

それだけ、選りすぐりの名品たちが、

期間限定で、特別に出展されているのです。

例えば、こちら↓


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-古今和歌集



《古今和歌集 (元永本) 》 です。

『古今和歌集』 の仮名序から巻第二十まで、

すべてが揃っている現存最古の遺品なのだとか。

12世紀に作られたとは思えない紙の綺麗さに、ただただ驚かされます。

もちろん字も綺麗ですが。


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-古今和歌集。


続いて、ご存じ、雪舟の 《秋冬山水図》


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-秋冬山水図



アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-秋冬山水図  アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-秋冬山水図


月並みな感想しか出てこなくて、恐縮ですが。

やっぱり実物の持つオーラは違います。

部屋に入った時点で、この絵の持つ力に圧倒されました。

左の冬の絵に、一人の男性が描かれています。

後ろ姿の彼が描かれていることで、

“この道は、山奥に続いているんだなぁ” という想像が喚起させられた気がします。

これぞ、雪舟の巧みな計算でしょう。



その他にも、本館リニューアル特別展示として、

狩野永徳の 《檜図屏風》 や、


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-檜図屏風


飛鳥井雅経の筆による 《熊野懷紙》


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-熊野懷紙


葛飾北斎の 《冨嶽三十六景》 が、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-冨嶽三十六景  アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-冨嶽三十六景



展示されています。

確かに豪華なラインナップ。

そして、極めつけが、こちら↓


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-風神雷神図屏風

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-風神雷神図屏風  アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-風神雷神図屏風


尾形光琳の手による 《風神雷神図屏風》 です。

今回の一番の目玉だけあって、この絵の前には黒山の人だかりが!


《風神雷神図屏風》 にあまりに人気が集中し過ぎて、、、

この絵の両脇に、円山応挙と、


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-雪中老松図


そして、伊藤若冲。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-松梅群鶏図屏風  アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-松梅群鶏図屏風


二人の大スターの作品が展示されていたのですが、

大半のお客様に、華麗にスルーされていました (笑)

若冲ファンの僕としては、混雑がなくて、嬉しい限りでした。


いやいや、しかし、


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-光琳と若冲


若冲の絵と、《風神雷神図屏風》 とが、

並んで展示されているなんて、夢のような光景。


「これは特別展か?」


と、思わず一言つぶやきたくなりました。

あっ、まんまと、トーハクの狙いにハマってしまったようです (笑)

星星



最後に、総合文化展に展示されていた作品の中から、

どうしても気になって気になってしょうがなかった展示品を、ご紹介。

それは、こちらの兜です↓


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-紺糸素懸威栄螺形兜


「う○こ?!」



思わず目を疑いました。

頭にう○こ乗せてる侍って、どんなだよ!

が、この兜の名称に目をやると、

《紺糸素懸威栄螺形兜》 という名称が、ちゃんと書かれていました。


「あ~、う○こじゃなくて、サザエだったのね」


スッキリしました (笑)





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