道教の美術 TAOISM ART -道教の神々と星の信仰- | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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今回ご紹介する美術展は、三井記念美術館にて11日から始まった…
“特別展 知られざるタオの世界 「道教の美術 TAOISM ART」 -道教の神々と星の信仰-”
会期は9月6日までです。

この美術展は、 “道教” の美術を紹介する日本で初めての展覧会とのこと。
日本各地に埋もれ散在する国宝4点、重要文化財20点を含む、
約170点の“道教” の美術品が結集しているのだそうです!

確かに。
仏教美術や、キリスト教美術は、今まで数多く目にしてきましたが、
“道教” の美術と言うのは、記憶にありません。

“これは、新しいかも…!”

ということで、いつもは美術展に全くそそられない三井記念美術館に、
約1年ぶりに足を運んでまいりました!


というか、改めて考えてみると、
“道教” の美術以前に、 “道教” そのもの自体が、よくわかっていません。。。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-太極図


“たしか、このマークが関係あるんだよな…”

というくらいの認識。


“この美術展を通して、道教の美術にも、道教にも、知識が深まるといいなぁ♪”

というような気持ちで、観賞に赴いたのです。





…しかし。
現実は、そう甘くありませんでした。

結論を先に言ってしまえば、
結局、今回の美術展を通してみても、 “道教” が、よくわからなかったのです。
星
そんなわけで、星は一つ。


まぁ、これは、僕の理解力のなさが一番の原因なのでしょうが、
二番の原因として、
道教があまりにも広範囲にわたっていて、漠然としすぎていることが挙げられます。


そもそも、かなり乱暴に言いきってしまえば、道教とは…

「日本に古くから伝わってきた神道の中国バージョン」

とのこと。
自分は日本人ですが(← “とに~” とは名乗りながらも)、

「神道って何?」

と問われたら、ちゃんと答えられない自信があります (←変な自信) 。
いやぁ、神道もだいぶ広範囲にわたっていて、漠然としたものですからね。
さらにその中国バージョンともなると、これはもうお手上げです。



道教に関連深いテーマとして、今回紹介されていた一部をご紹介しますと、

神仙思想、五行説、黄帝や老子、蓬莱山
北斗七星信仰、修験道、七夕、福禄寿、浦島太郎、庚申塔、お中元…


と、まぁ、いかにも中国的なものから、かなり日本に根付いたものまで、
実に、道教の影響が多岐にわたっているのが、よくわかります。
こんなに幅広いテーマを、一つにまとめて理解するなんて、土台無理な話で。

道教を知ろうとすればするほど、
どんどんとよくわからなくなっていきました。
脳をフル回転させすぎて、右脳と左脳が、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-太極図


こんな状態になってしまいました。はい。

とりあえず、道教の根源は、カオスだったそうで。
それだけは、実体験的に、理解できました。



さて、そういうわけで、理解には苦しみましたが、
道教はどこかに置いときまして、展示品自体には、いくつか気になった作品が。

まずは、後漢時代の 《羽人像(うじんぞう)》 です。
現在の日本人が、普通に想像する仙人の姿とは、大きく掛け離れていました。

  アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-羽人像


なんというか、 “Xファイル” の匂いがします(笑)





それから、今回一番の衝撃作が、牧谿の 《老子像》
(注:出展は7/26までです)

  アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-老子像


ちょうど展覧会場の折り返し地点あたりで、遭遇しました!
きっとスゴイ有難~い作品なのでしょうが、
この絵にたどり着くまでに、脳内グロッキーな状態だったので、
描いた牧谿さんには、大変失礼なのは承知ですが…




ジョンジョリーナ・アリーの歌しか連想できませんでした(笑)
この曲を頭の中で流れてしまったので、
この絵の前では、ニヤつかざるをえませんでした。



そして、今回、一番 “観れて良かった!” と思えた作品が、こちら↓

  アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-安倍晴明坐像


《安倍晴明坐像》 です。
(注:出展は8/9までです)

一昔前の陰陽師ブームの時に、
よく目にしていたこの絵を、実物で観れるとは思ってもみませんでした。
今までは、さらっとしか見てなかったこの絵ですが、
安倍晴明が座っているイス (?) の木目が、
実は、異常に細かく描きこまれていたりと、いろいろと発見のある作品でした。


しかし、陰陽道も道教の影響だったとは…

道教がなければ、陰陽師ブームもなかったのですね。
陰陽師ブームがなければ、




ニコニコ動画を、
メジャーにしたこの曲も生まれなかったかもしれないわけで。

そう考えると、今、ニコニコ動画を楽しめるのは、
道教の遠い遠~い影響なのかもしれないのですね。

いやぁ、道教様々です。