バイリンガルであることの5つの最悪なことという英語記事。 があります。
http://goo.gl/sOTq5v
要約として、バイリンガルは・・・
1)自分自身をひとつの言語で言い表せない。
2) 最適な表現がわからない
3) どこでもよそものに扱われる
4) 人々がいつも同じようなくだらない質問を私にする
5) スポーツ観戦でどこの国のチームを応援したらよいかわからない。
しかし、この記事はひとつのことを混同しているようです。
それは、バイリンガルであることと多国籍であることの違いです。
おそらくこの記事を書いた人自身もバイリンガルであり、また、国際結婚の両親のもとで育ったのでしょう。
そして、もしかしたら、多国籍的なアイデンティティーゆえにそのことが低い自己像を与えたのかもしれません。
同じ国籍で同じ言語を話す家庭であっても外国に住むような場合は、その子どもがアイデンティティーの危機に陥る可能性があることはあります。
ある宣教師の子どもは大きな目をした非常に整った顔立ちであるにもかかわらず、どうして自分の目は周りの日本人のように細い目ではないのだろうかと悩んだ時期がありました。
いずれにしても、それは言語の問題というよりはアイデンティティーの問題です。
ですから、それをもってバイリンガル教育はよくないとはいえませんし、
ましてや、日本に住み日本人の家庭で育っている子どもにバイリンガル並みの英語力を身につけさせたいと考えているだけの家庭にとっては関係の無い話です。
でも、ひとついえることはアイデンティティーの危機はどこからでもやってきますし、英語教育から入ってくることも多いです。
それはなぜか英語の長文問題には、アメリカがすばらしい日本はよくないという記事が多いので、知らないうちに間違った意識が植え付けられることがあるからです。
ですから、日本人家庭で英語力をつけさせる場合であっても気をつけたい点があります。
それは国際人を育てることと、無国籍人を育てることとは異なるということです。
以前「英語習得の必要性「英語が世界標準語になった時点で英語教育が必要かどうかの論議は必要ない」という記事の中で、「自分を育んでくれた国の伝統・文化を身に付けていなければ、「国際人」「グローバル人材」になれない」という文章をある記事から引用しましたが、
そのように、日本を知り日本を愛する心を伴っていなければどのレベルの英語の能力を持っていても(それこそ、まったく英語を話せない普通の人であっても)、多かれ少なかれアイデンティティーの危機に陥ることでしょう。
ですから、語学教育と平行して、正しいアイデンティティーを身につけるために、神を愛し、家族を愛し、国を愛するための教育も必要なのです。