インドの色彩と紋様1 「薔薇色のキッチン」 | 30年以上の実績 アロラインド料理学院公式ブログ

インドの色彩と紋様1 「薔薇色のキッチン」

たくさんのスパイスの、素朴ながら繊細な色の違い。サリーやパンジャビドレスの鮮やかな色あいと、そこにほどこされる伝統的な紋様と優美な装飾・・・・・・キラキラ  
インドのお料理&文化を学び始めたばかりの私ですが、インド料理の奥深さはもとより、その色彩と装飾紋様の世界の豊かさにも、感動させられてばかりです。
そして、わびさびの色遣いから慶事の艶やかな色彩まであまたの色名数を誇る日本の、私たちの色彩感覚にも相通ずるところがあるのでは、と勝手ながら親近感をおぼえて嬉しくなったりもしています。

そんなインドそしてアロラ先生まわりの、色彩&紋様文化の魅力を、カラーコーディネーターの目を通してご紹介していきます☆


こちらは、アロラインド料理学院のキッチン。
エキゾチックでとても風合いのある壁です。日本の(品川区五反田の!)マンションの一室とは思えないほど!


灯りによって、青みがかった冴えたピンクにも、橙よりの薔薇色にも見える、独特の色あい。
アロラ先生のお教室では、先生を囲むミニキッチンで授業がおこなわれるのですが、時々お料理の流れでこちらの大きなキッチンにみんなで移動することもあります。
足を踏み入れると、心と身体の温度がわずかに上昇するような、ほわっとあたたかいものに包まれるような心地onsen* に。
受講者さんからは、「可愛い!」「明るい気持ちになるね」という声もあがります。

 
この、「アラジンズランプ」という色名で呼ばれることもある、黄色みをふくんだピンク。
日本で伝統的に塗料や染料として使われている「弁柄色」(べんがらいろ。インド・ベンガル地方の赤土に由来)を明るめに発色させた色でもあります。
(アラジンの魔法のランプランプ1、個人的には金色の金属製というイメージだったのですが、その昔は赤土製の焼き物だったり、それこそベンガル産の顔料で装飾がほどこされていたり、したのかもしれませんね)

一般的に、「ピンク」は、目にしたり身につけたりすることで、安らぎや幸福感をもたらす色とされていますが、そこに大地に由来する土の雰囲気・「茶色」みがまじっていることで、若干の鎮静効果が加わり、おだやかな落ち着きが生まれています。
素材(食材)の声をききながら、ゆったりと楽しい気持ちでお料理ができそうなキッチンです!


この壁の色、インドの田舎の家の昔ながらの土壁をイメージしてデザイナーさんが選んだとのこと。
使い込まれて、深い味わいが出ています。
アロラ先生にとっては、故郷の国の色であるとともに、日本でお仕事を続けてきた数十年の歴史が刻まれた、ご自身でつくり育てた大切な場所の色なのです。
私もこんなふうに、人生を(文字通り)いろどる、自分だけの色鍵b をもてたら・・・・・・☆と思いました。

八木あすか/文筆家、AFT認定1級カラーコーディネーター。二児の母)


※色の再現は個人の閲覧環境によってことなります