悪意売る人々(追記あり) | 有川ひろと覚しき人の『読書は未来だ!』

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さて、本日もTwitterで上がった話題のざっくりしたまとめです。
あまり気持ちのいい話題ではないことを最初にお詫びします。
サイゾーウーマンという媒体で、私の意図を無視した記事を書かれた件についてです。

サイゾー・リテラ系といえば、ネット上の風評をかき集めたようなゴシップ記事でアクセス数を稼いでアフィリエイトビジネスをしていることで有名な媒体ですが、この媒体に長年に渡って誹謗中傷を書かれて閉口しております。
(分かる人には分かる詳細はこちら)※事実関係を多少つまびらかにしてみました。追記を重ねる形で更新すべき事実があったら更新しております。

先日も被害に遭いました。
映画『レインツリーの国』で、原作者が主演の玉森さんの演技を気に入っていないというような記事がサイゾーウーマンに載ったとのこと。
リンクを貼ったらアクセス数を稼がせてしまうとのことなので、気になる方のために該当部分を引用。
私のことを勝手に書かれたんだから、私がそれを引用したところで何の問題もありませんな。
文句があるなら法廷にいらっしゃい。いつでもお相手つかまつります。

(該当記事引用)

この記事について、このようなコメントをTwitterにて出しました。
https://twitter.com/arikawahiro0609/status/671114740500979716
①不本意な記事が出たので、はっきり否定だけしておきます。
http://www.cyzowoman.com/2015/11/post_18070.html … …
私にとって「誠実」というのは役者さんに対する最大の賛辞です。
歯切れが悪いなどと勝手に恣意的解釈をされるのは大変不本意です。

https://twitter.com/arikawahiro0609/status/671114940237901825
②岡田さんにもラジオ内で「私にとって誠実というのは最大限の賛辞です」と申し上げていますし、岡田さんが心配していたのは身内の謙遜も含まれてのことだと思います。
私にとって誠実という言葉はとても大切な言葉です。尊敬できない役者さんには使いません。

https://twitter.com/arikawahiro0609/status/671115023318675456
③玉森さんに否定的な記事を書くために私を引き合いに出されるのは不本意です。私のコメントを使いたいなら、私に真意を訊きに来てください。などと言っても聞くような媒体ではないと思いますので、ただ否定するまでです。私は玉森さんのお芝居と姿勢を素敵だと思っています。

https://twitter.com/arikawahiro0609/status/671115913266110468
④ゴシップ記事に泣き寝入りするのはやめました。
記事を否定するのが私の意思表示です。

https://twitter.com/arikawahiro0609/status/671125371207684096
もし記事の憶測を信じてしまっている人がいたら、原作者は否定したという事実を教えてあげてください。
https://twitter.com/arikawahiro0609/status/671114740500979716 …より①~④まで、その根拠のための呟きでした。
(引用ここまで)

このコメントを出した一日だけで、フォロワー数が3000名様ほど増えました。
それだけ該当媒体への憤りを日頃から感じておられる方が多かったのだと思います。
そこで思ったのが、こうした「悪意売る人々」が作る媒体への対抗手段です。

再び、自分のTwitterより引用。
https://twitter.com/arikawahiro0609/status/671296887824261121
悪意と戦うことは不毛ですが、悪意を否定することには意味があると思います。
その悪意を否定したという行動が第三者に届くからです。
悪意をねじ伏せるためではなく、否定したという事実を残すために、否定します。

https://twitter.com/arikawahiro0609/status/671298717794873348
悪意を持って発せられる言葉に対抗できるのは、意志の表明だと思います。
私は今回当事者にさせられましたが、当事者でなくても、「信頼に足る言葉ではないから信じない」と表明することで、悪意の威力を削ぐことができると思います。

https://twitter.com/arikawahiro0609/status/671299565539229696
信じないというメッセージをくださった方々の言葉が、私の勇気になっています。ありがとうございました。
悪意に取り込まれないために、直接戦うことはしない。
ただ、意志を発する力を持っていることは、必要に応じて示す。
専守防衛の志に倣いつつ。
(引用ここまで)

こうした悪意あるゴシップ媒体は、「くだらないものは無視するのが一番」という、日本人特有の「大人とされる態度」に付け入って蔓延っているものだと思います。
確かに、こうした記事にいちいち関わっていたら、身が持ちません。
悪意を売る人々は、「無視されることを期待して」、悪意を商っているのだと思います。わざわざ裁判沙汰にしたりはしないだろう、と。
しかし、裁判沙汰にしなくても、「否定します」と記事に対する姿勢を表明するだけで、あるいは「(読者として)支持しません」と表明するだけでも、彼らに対する意志表示にはなります。
そして、その意志表示こそが、悪意の威力を削ぐことができるのではないかと私は思っています。
(裁判沙汰は、最後の手段。手段として放棄するわけではありませんが。←こういうところも、専守防衛の理念ですね)

ですから、今後は、いちいち否定します。
心ある方が、両方の言い分を比較しようとしたときに、判断材料にしてもらえるように。
悪意を信じたい人、悪意を楽しみたい人は、誰が何を言おうと悪意の肩を持つでしょう。
ですから、そうした人をなくすことが目的なのではありません。それを目的にすることも、不毛です。
悪意売る人々に対して、悪意売られる側の人間として、意志表示するだけです。
悪意売る人々が勝手なレッテルを貼ろうとするのを、粛々と否定するだけです。
判断は、受け取る方に任せればいいのではないかと、そう思います。

誹謗中傷が始まってから、この結論を出すまで、ずいぶん時間がかかりましたが、今回の記事で腹が括れました。
私の言葉を勝手に歪めて誰かを傷つけようとする輩を、看過するわけにはいきません。
自分のことを書かれる限り、とことん、しつこく、何度でも意志表示します。
今回、私が意志表示をすることで、「安心した」という方が大勢おられました。
ですから、「意志の表明」が無意味だとは思いません。
繰り返しますが、悪意と戦うことは、不毛です。
自分の人生をそんなくだらないことに費やす必要はありません。
ただ、悪意売る人々が、他人をいいように食い物にする風潮に、静かにNOを突きつけることは、悪意に傷ついてしまう誰かを救うことになると思います。

そしてまた、その行動は、長期的に見れば、ネットという場所の公正さを獲得することにも繋がっていくと思うのです。
インターネットは、匿名で安全圏から簡単に悪意を発信できるところです。
問題の媒体のように、それを利用した商売まで成立してしまうほどで、そのことが世間の人々にネットの信頼性を失わせる大きな要因の一つになっています。
しかし、悪意を否定する意志を表明することが、ネット上にも良心はあると、善き可能性があると、ネットを信用しない人々に伝えていくことに繋がると思うのです。
インターネットという利器にも凶器にもなり得るツールを、私たちがどう律していくか。
今は、それを問われている時代でもあると思うのです。

追記
降りかかる火の粉を振り払う権利を放棄して一方的に殴られていろ、という一部読者さんの理想に答えることはできません。
私がどれだけ長い間、一部ネットメディアの一方的な誹謗中傷に耐え、どれだけ苦しんできたか、ここで詳細を述べようとは思いませんが、あなたの理想を叶えるためにネット上の一方的なサンドバッグになれというのは、いくら読者さんの要望とはいえ、あまりに無体だと思います。