例えば、

3ヶ月後に医学関係の会議通訳が

急に開かれることになりましたが、

通訳人が足りない状況のとき

通訳人を手配する会社は、

どうすると思いますか?


今の時代、帰国子女もいるし、

日本語も出来る外国人もいるから、

通訳人を見つけるのに苦労しないだろう、

と思われるかもしれません。


でも、通訳を手配する会社は、

そんな人には声をかけません。


英語が得意な医学部の学生に

医学関係の会議通訳をしませんか、

と話しを持ちかけるそうです。


これは、僕が通訳学校に通っていたとき、

講師(同時通訳者)の方が話していました。


その講師の方は、

多少英語が出来なくても、

医学的な知識があれば、

誤訳する可能性は少ない、と話していました。


例えば、

医学関係の会議の出席者が

「水を電気分解すると、酸素と水素になります」と発言をしたとき

(こんな発言をする人はいないとは思いますが、万が一いたと仮定して)

その発言を通訳するとき、

科学的な知識を持っている通訳人であれば、

誤訳することはありえないでしょう。


でも、科学的な知識がない通訳人であれば、

誤訳する可能性が出てきます。


医学関係の会議では、

前提となっている科学的な知識は膨大なものになります。


英語が得意だからといって、

3ヵ月後に医学関係の会議で通訳してください、と言われても

困ることでしょう。


ですから、

医学関係の会議の通訳人が足りないとき、

英語が少々できなくても、

医学の基礎知識を持っている医学部の学生に声をかける、

ということらしいです。ありえる話だと思います。


少々英語ができなくても、背景知識があれば、

その場で話題になっていることは、

理解できるということですね。


前回まで、ブログで

東大の英語の入試問題を解説しましたが、

この問題文も、移民に関する背景知識があれば、

あるいは、日本に来ている移民のことが想像できると

単語や英文の構造が少々わからなくても

何とか読めると思います。


今回の東大の入試の英文は、移民についてでしたが、

個人的なことも含めてまとめて書くと、

こんな感じでしょうか?


移民は、もっと良いチャンスがあると思って、

いわゆる先進国に来ます。


そうすると、先進国では、

共通語や共通の価値観が壊れるかもしれないとの恐怖が生まれ

社会がばらばらになるのではないか、との不安が大きくなります。


実際、アメリカでは、英語を話す人とスペイン語を話す人では、

離婚や同性愛に関する意見が大きく食い違っているそうです。


移民すると決心した場合、

僕のおばさん(父の姉・85歳くらいだと思います)の場合だと

第二次世界大戦の後ですが、

アルゼンチンへ出発するとき

身内に今生の別れを告げたと思います。


でも、最近故郷に帰ってきて

もうたぶん二度と会うことはないと思った

身内と再会しています。


アルゼンチンにいる身内や友人とは

電話で連絡が取れるような状況です。


僕のおばさんの例のように、以前の移民は、

家族や友人とのつながりを断ち切って

故郷を後(あと)にして

移住した国で何十年もかけて

新しい自分を作り上げていました。


でも、今の移民は、

家族や友人とのつながりを断ち切る必要はなくなりました。


というのも、今の移民は、

故郷の人とEメールや電話で連絡が取れるし、

同じ新聞も読めるし、

衛星放送で同じテレビ番組も見れるし

同じ映画も借りることができるので、

昔の移民とは違って、故郷から出てくるときに

家族や友人とのつながりを断ち切る必要はありません。


インターネットなどによって

移民が母国にいる人と再びつながることで、

新しい社会、つまり、地理的な近さに頼ることなく

拡散した社会が生まれている、ということですね。


以上を「移民」に関する背景知識としたうえで、

東大の入試問題をもう一度よんでみましょう。


個人的な好みで単語に色をつけています。


As many developed countries become the destination for

immigrants---people coming from other lands in search of

better opportunities---the ethinic mix is changing and with

this has come the fear of the loss of national identity as

represented in a shared natinal language and common values.

Anxiety is growing about what appears to be the increasing

separateness of some ethnic communities. Surveys in the USA,

for example, have found that immigrants who have little or

no mastery of English and who primarily rely on Spanish

in their homes and work lives have strikingly different

opinions from English speakers about controversial social

issues such as divorce and homosexuality.


There is, however, another side to such sparate,

parallel lives. We now live in a world in which immigrants

do not have to break connections with friends and family

to begin the generation-long process of adopting a new identity.

Not only is it possible to retain close contact with the 'home'

community on a daily basis via email and telephone, but it is

also possible for people to read the same newspapers as those

being read in the community they have left, watch the same

television programmes on satellite television, or borrow the same

films on DVD.


Social network ties which were broken in previous generations

are everywhere becoming reconnected. Families and communities which

were separated generations ago are finding each other once again.

Ties are being reconnected, helping to create a different type of

society: one which is more spread out and less dependent on geographic

closeness.


どうでしょうか?


背景知識があると、英文が読みやすいと思いませんか?。


今回、東大の英語の入試問題を解説しながら思ったことを書きます。


今現在、いわゆる受験英語を勉強している人は、

一生懸命受験英語を勉強してください。

受験英語は、英文の構造を学ぶのに最も効率がいいと思います。


僕のように受験英語を勉強してこなかった人は、

家にある中学・高校の教科書あるいは参考書を

読みましょう。


僕もある受験英語の参考書を今読んでいます。


その参考書を読み終えたら、

どのように読んだか、このブログでお知らせします。


英語の参考書は、

英文の構造を理解するのにとても役に立っています。


今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。


また次回もよろしくお願いします。


次回は、「音読しても声がかれない方法」について書きます。


2週間ほど前ほどに知った方法で、

それ以来、声があまりかれなくなったように思います。


声がかれないポイントは、「ノドを開くこと」だと思います。


「ノドを開く」という言葉は知っていましたが、

具体的にどうすればいいか、さっぱりわかりませんでした。


それが原因かわかりませんが、僕は、よく声がかれました。


英語を勉強するとき、音読は欠かせないと思いますが、

僕の場合、15分から30分くらい音読すると

次の日、決まって声がかれるので、

連日音読することができませんでした。


でも、2週間ほど前、面白いサイトを見つけました。

全米ナンバーワンのボイス・トレーナーのサイトです。

全米ナンバーワンということは、実質世界一の方でしょう。


そこのサイトでは、

声を出すときのアドバイスのビデオ3本がアップされています。

もちろん無料で見れます。


この無料のビデオを見て、

「ノドを開く」ということは具体的にどうすることかがわかりました。


そのビデオを見てから、

自分なりに「ノドを開く」練習を毎日しています。


でも、実は、

僕はこのサイトで紹介している商品は

いまだに購入していません。


ロジャー・ラブ先生、ごめんなさい。


いずれにしても、

「ノドを開く」という意味が最近わかりました。

次回はそのことについて書きます。


音読をして声がかれる人は、

次回のブログも是非読んでみてください。

よろしくお願いします。