「原発のウソ、そしてホントの話」 | misaのブログ

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国はなぜ原発をやめられないのか。

その根底にある理由を鋭くえぐっているインタビューです。

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≪吉田照美ソコダイジナトコ 「原発のウソ、そしてホントの話」小出裕章氏≫




吉田:(福島第一原発の現在の状況は?)

小出:「正確には分からない。私が得られるデータは、東京電力や政府が公表したデータだけだから。

私にとって一番大切なのはデータがどこまで正確なのかという事。
公表されているデータが本当に正しいのかどうか、私には確信が持てない。

(1号炉は3月12日に水素爆発したのか?)

「はい。それは、確実だ。」

(2号炉は?)

「2号炉も、サプレッションチェンバーと呼ぶ、格納容器の一部で水素爆発を15日に起こしているので、原子炉の炉心の相当な部分が損傷しているというのは確実だ。

ただし、その損傷がどの程度なのか、つまり、メルトダウンをしてしまっているのか、それとも、まだかろうじて、圧力釜という圧力容器の中に残っているのか、ということは私自身いまだに確信が持てない状態だ。

(3号炉は3月14日に核爆発したのか?)

「わたしは、水素爆発だと思っている。

核爆発ではないかという推測をされる方もいる。
絶対的にそうではないと断言できる自信もないが、多分、わたしは水素爆発だと思っている。

(では、4号炉は?)

「地震と津波に襲われたときには止まっていた。
つまり、原子炉の中にはすでに燃料が無くて、その燃料は全て使用済み燃料プールと呼ばれている場所にあった。

3号機の方から、空調施設が供用になっていたので、3号機の方から水素が4号機に回ってきて爆発した可能性を今、わたしは疑っている。

使用済み燃料プールそのものがある階も爆発で吹き飛んでいるし、使用済み燃料プールがあるその下の階で爆発があって、その階もボロボロになっている。

使用済み燃料プールを支えているそこの構造物が破壊されてしまっているという事で、使用済み燃料プールが支えを失って崩壊する可能性がある。

もちろん東京電力もそれを認識していて、使用済み燃料プールが崩壊しないように、使用済み燃料プールの下の階の補強工事をやると、随分早い時期から表明していたし、多分、それなりの工事は進行しているはずで、何とか崩壊する前にきちんとした工事を終えて欲しいと思っている。

3月11日それ以降もかなり大きな余震が続いているので、今後、使用済み燃料プールの崩壊を招くような余震が近い将来、無ければいいなと、私は願っている。」

(こういう形で、東京電力、政府の発表というのは国民に、果たしてちゃんとされているのかというと、なんか、されていない感じがとても強い。

福島第一原発どれをとっても、いまだに安定した状況にはなっていない。

それより今は水蒸気爆発の恐れがあるかもしれないという状況だ。

金曜日に震度5弱の地震が起きた時には、水蒸気爆発とか、4号炉の使用済み燃料プール崩壊の心配をしてしまった。

福島第一原発の汚染水の事や、さまざまな状況も聞いている。

汚染水の地下水への影響は?
その状況を防ぐために、地下ダムを作る話がその後、情報が入って来ないのだが。)

「私はかなり早い段階から地下ダムを作らなければいけないと発言をしていた。

東京電力は5月の27日か28日に株主総会があった。
地下ダムを作るとすると、私が聞いた話ではどうも、1000億円のお金がかかるとなって、それを株主総会の前に発表するのは嫌だと東京電力が言っていた。

しかし、私は、その1000億円という値段を聞いて、冗談を言わないでくれと、実は思った。

1000億円位ケチるな。と

今度の事故を収束させる、あるいは被害の全体を賠償しようと思えば、何十兆ものお金がかかる。

1000億円なんて、もう、そんなことケチっている場合ではない。
即刻でもやるべきだと私は思ったが、株主総会が終わった後も東京電力としては、すぐにやるという動きはない。

ただ、行程表が改定されて、第2段階だったか、それ以降だったか・・・地下ダムを作るという案が出てきていたので、いずれやることになるだろうと思う。

すでに、今現在も、どんどん汚染水が海に向かって流れていっている訳だから、一刻も早く本当はやらなければならない。」

(この状況で北海道で原発の再稼働。
これに関しては?)

「わたしは、原子力発電所というのは、いつか事故を起こすから早く止めたいと思ってきたし、みなさんにそう発言してきた。

でも、残念ながら、私の声なんかはホントに小さくて、何の力もないまま今度の事故を起こしてしまった。

でも、ここまで来たんだから、日本中の原子力発電所は全て即刻止まると初めは思った。

ところが、どうも日本の政府は止める気が無いし、産業界も止める気が無い。

止めてしまうと、やれ電気代が上がるとか、経済が縮小してしまうとか、そういうことばっかり言っていた。

(不思議。当事国じゃないヨーロッパなんか、即刻そういう方向性決めてるのに。どうしてか?)

「産業界はこれまで原子力に利益を求めてここまできた。

経済原則で言ってもあまりに馬鹿げているという事が今回の事故でハッキリしたわけだから、産業界経済界としては、さっさと足を洗うというのがまともな決断だ。」

(それに加えてメディアも本当だったら、そのあたりを糾弾追及しなければいけないのを全くその手が無い。

それが世界から不思議に思われているようだ。)

「私の所に世界のメディアの方々が来るが、何で日本のメディアはこんなにダメかと言って、たいていの方は首をかしげている。

日本というこの国の歴史をみると、お上意識が強すぎるし、お上が決めた事にマスコミは付き従って今日まできたと私は思う、と答えてきた。

彼らは信じられないと言った。

(色々な国から先生に取材が殺到していると聞いたが、一番聞きたがっている事は?)

「これだけの事故を引き起こしている訳だから、世界各国がこの事故を教訓に何とか原子力から足を洗おうとしている。

それでもなおかつ日本という国が原子力をやろうとしている事が何故かという事が、彼らにも分からないという事で、どうしてか?と、良く私は質問を受けている。

産業界、経済界の欲求のためにここまできたと私は思うが、それはすでに崩れた。

それでもなおかつ日本が原子力を諦めないのは、いわゆる”核”だと思う。

(核兵器対する日本のスタンスというのは、全然変わってないという事か?)

「去年の秋にNHKが《核を求めた日本》という番組を放映した。

その内容は、この日本という国は先の戦争で負けて二等国になったと。
でも、二等国のままいつまでもいたくないので、核兵器を持てる力を作りたいと、ずっと思ってきたと。

そのために原子力の平和利用という言葉を標榜しながら、実際には核兵器を持つ技術的な力を蓄えたいという事のために今日まできたんだという。

そういう事です。

私はそのことをずっと、政府の外交文書等で知っていたので、ようやくNHKもこういう事を言いだしたんだなと思ったが、いわゆる国営放送であるNHKが何故、今この段階でそれを言いだしたのかなと思って。

むしろ積極的に国民に対して日本という国が強国になるためには核兵器というものを持つ事も必要なんだし、何時までも原子力の平和利用という言葉だけで進められないというところまで、彼らも覚悟を決めてきたのかな、と言うように受け止めた。」

(日本政府それから、バックの経済界産業界も利益を高めて国を強めるために、核兵器を持つ事の一環としての原発の開発が存在したという事か。

先週の東京電力、政府の発表では、放出された放射性物質の量が事故直後の1000万分の1になったと、突然言っているが、それは現在進行形放出量の事で、4月の時点でチェルノブイリの1割程度と発表があった。

チェルノブイリから出た放射性物質はセシウム137換算で
広島原爆の800発分に相当するという。

これをそのまま受け止めると、原爆を80発分ということで、それ以上の死の灰が飛び散ってしまったと言う事になる。

この放射性物質は、一体いつになったら収まるのか。)

<まとめ終わり>

このインタビューは原発というものの核心をついています。

次回は「核を求めた日本」についてまとめてみたいと思います。