前回お伝えしたように、大飯原発の再稼働を巡って、関西の知事らが条件付きで再稼働を受け入れる意向を示しました。
野田総理
「関係自治体からは一定の理解は得られつつある。国民の負担増抑制などのため、安全が確保された原発は再稼働させる必要がある。福井県とおおい町の判断が得られれば、私の責任で最終判断したい。」今日はこの発言について検証してみたいと思います。
関西広域連合が再稼働を容認したと捉えられた背景細野豪志原発事故担当相が初めて、関西広域連合に再稼働について理解を求めた19日には、慎重論や政府への批判が吹き荒れていました。
ところが30日の2度目の会合では、この慎重姿勢が、柔軟姿勢へと変わっていたのです。
連合長の井戸敏三兵庫県知事は「政府が出した判断は受け止める。」と表明しています。
それは、再稼働に反対してもし大規模な電力不足になった場合や、計画停電になるかも知れない事態を、どうしてくれるのかと周辺企業などから責められていると言う苦しい胸の内があったのだと思われます。
実際、関西電力が企業に対して計画停電の可能性をあおった事が、企業の心配を募らせたようです。
政府が「再稼働ありき」の姿勢を崩さないのは明らかで、会合の最中、齋藤官房副長官から「もうこれで決める。押し切りますよ。」と言われ、再稼働を止められないならばいっそ
夏だけの限定的な稼働を認めるしかないと、苦しい判断をしたようです。
「政府から受け取った白いボールを白いまま返した。後は政府が判断する。私たちが容認するしないの問題ではない。」と述べていた滋賀県嘉田知事は、31日になって「すべてGOで行ってしまうより、暫定、限定と言うことの意思表示をする方が、府県民の意思を表現できるだろうと言う判断で声明を出す事を決めた。」とわけを話してくれました。
京都府山田知事と嘉田知事のこのツーショットが納得できないもどかしさを表していると思います。
この経緯を細野豪志氏は関西広域連合の容認を得たとして野田総理に報告しているのです。
橋下大阪市長が「事実上容認する。」と言うのも条件があっての事です。
「夏をどうしても乗り切る必要があるなら、大飯原発の3号機と4号機については、暫定的な安全基準に基づく暫定的な安全判断に過ぎないが容認する。
このまま稼働を続けるのではなく、限定的に動かすという所は譲れない。
夏が過ぎて、原子力規制庁が出来ず、安全基準ができるのが2年も3年も先になるなら、動かし続けてはいけない。」と話しています。
もろ手をあげての容認ではなく、苦肉の策だという事です。
それなのに野田総理らは、広域連合から大筋で理解を得られたと解釈しているのです。
大阪府松井一郎知事も、その事に不快感を示し「関西広域連合を再稼働のアリバイ作りに使われた思いだ。
僕は容認したのでも理解したのでもなく、再稼働までのプロセスが不十分だと言い続けている。
連合が発表した声明についても、どこにも容認とは書いていない。
秋には電力が足りているのに原発を動かし続けるのか聞きたい。」と再稼働はあくまで期間を限定すべきだと発言しています。
前に橋下市長が臨時的な稼働を提案した時に、藤村官房長官は「これまで電力供給の30%を担ってきた原子力を直ちに止めてしまっては、燃料コストの増加による電気料金の引き上げは避けられない。
従って、需給の厳しさだけを踏まえた臨時的な稼働と言うものを、別に念頭に置いているわけではない。」と21日に言っていたのが気がかりです。
原発が動かないと国民の負担は増すのか?野田総理は29日の衆院本会議でも「電力供給の3割を担ってきた原子力を直ちに止めてしまっては、日本経済、国民生活は成り立たない。」と訴えています。
この方、いつもこれしか言いません。
先日記事にしたように、原発は出力の微調整が出来ず、一旦動かすとフル稼働しかできないから、火力などの他の発電を止めてまでして原発を動かしてきたのです。
だから、原発に花を持たせてあげての30%なのです。
「原発が動かない状態で、もし大停電が起こったら人工呼吸器を付けている人の命が危ない」と総理は常に言っていますが、もうそういう方は自家発電を用意しています。
総理、人命を真っ先に考えるならば、原発が事故を起こした時の危険性の方がよっぽど大きいのではないですか?
日本経済、生活が成り立たないと言うけれど、今、原発がなくてもいろんな発電技術や節電対策が出てきています。
原発しか見えていないのは勉強不足としか言えません。
大飯原発はそんなに安全なの?野田総理は安全確保が出来たと大飯原発をみなしていますが、どこが安全なのでしょう?
防波堤のかさ上げも出来ていない、免震重要棟もない、崩れそうなガケ下に非常用発電装置がある、水素除去装置もない、フィルター付きベント装置もない、住民の避難計画もできていないんですよ。
細野豪志大臣は、大飯原発を再稼働させて、後から規制庁が発足したならば、その時に大飯原発の安全性を見直すと言っていますが、これ、順序が逆ではないですか?
松井知事も「政府の安全基準が万全でないのに既定路線として再稼働を認めるのか。原子力規制庁設置後に判断すべきだ。」と発言しています。
また橋下市長も「安全基準が暫定なら安全自体も暫定的なものではないか。なぜ規制庁の発足を待たずに再稼働するのか。」と指摘しています。
徳島県飯泉知事「規制庁を作り、さらに世界最高水準の判断基準を作ると言うならば、最高水準のものができてから判断すればいいのでは。
10ヶ月以内に法案が通ってからやるんだと言うなら、それまで待てば良いではないか。」
鳥取県平井知事「再稼働を本気で政府は考えるのであれば、周辺の住民や地域の安全や命を守るつもりがあるのかと言う事が本質的に問われている。」
また政府は、福井県西川知事から求められていた大飯原発の特別な監視体制について、新たな提案を出しています。
これは、経済産業副大臣らを現地に駐在させ、緊急時には総理官邸などとテレビ会議で結ぶと言うものです。
でも、事故が起こってからでは間に合いません。これって一体何の意味があるのでしょう。
福井県とおおい町の思惑今回の野田総理の発表は、福井県知事が「首相が国民に向かって明確な責任ある見解を述べる事が重要だ。」と求めていたのに応えたもののようです。
ここにも福井県知事の責任逃れを感じます。
大飯原発に何かあった場合、再稼働を認めた自分に非難が来ないよう、野田総理に責任を押し付けようと言う意図を感じます。
福井県で再稼働を認めたのでなく、野田総理や関西広域連合の人々が決めたのだから、自分はそれに従ったまでだという事にするのでしょう。
さらにおおい町の時岡町長に至っては、町長自らが創業し、今は息子が経営している会社が原子力工事を過去6年間に4億円以上も受注しているそうです。
それもあって、原発が動いてくれないと困ると町長はインタビューに答えていました。
交付金をもらっているようなこういう方たちの判断では、正当な判断ができるわけがありません。
大飯原発に近いのに、交付金もなく、危険性だけが及ぶような地域はたくさんあります。
そういう地域の考えこそ、取り入れるべきだと思います。それこそ周辺自治体だけでなく、日本全国民の意見を聞くべきでしょう。
野田総理は原発事故が起きたら、どう責任を取るのか?野田総理は、「私の責任で再稼働の最終判断をする」と述べました。
この責任と言う言葉が、どれほどの重みを持っているかを総理は分かっているのでしょうか。
もし、原発で事故が起きたなら取り返しがつかない事になります。
そうなったらどう責任を取ると言うのでしょう。
今回の福島での事故では、誰も責任を取っていないのは誰もが知っている事です。
こんな重大な問題において、責任と言う言葉を軽々しく使って欲しくありません。
責任など取れるものではないでしょう。それこそ死を覚悟で原発作業に入ってもらうだけでは済まされません。
巨大地震や異常気象が各地で心配されている中、もう一度原発事故が起きたら日本はつぶれます。
原発なしでは経済成長ができないと言うけれど、原発を動かした方が経済破綻になる事を、福島で学ばなかったのでしょうか。
私たちは一丸となって節電し、この夏を乗り切ろうとしていました。原子力ムラの人々が一番怖れているのが、原発なしで夏を乗り越えられてしまう事。
だから、夏の電力ピーク時に間に合わせる為に、焦って再稼働させようとしているのです。
とにかく急いでいるのです。安全性など関係なしで。
あとは福井県知事の発言にかかっています。
祈りにも似た私たちの思いを、福井県知事と野田総理に送って下さい。どうか流れが変わりますように。。。
福井県知事へのおたより
https://info.pref.fukui.lg.jp/kenmin/otayori/otayori.html首相官邸へのメッセージ
https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken_ssl.html