しかし、プログラムのソースコードは、読むよりも書くほうが簡単な気がする。なぜだろう。
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ソースコードを読むのが難しい理由のひとつは、プログラマによって書き方が大きく違うという点だろう。日本語の文章に例えれば、色々な方言が混ぜ合わされて書かれているようなものだろうか。
なるべく書き方が揃うようにと、「コーディング規約」のようなものを設けることも多いが、細かいところまでルール化するのは難しく、どうしてもプログラマの癖のようなものが出てしまう。
TMTOWTDI という言葉があるように、色々な書き方があるということは、必ずしも悪いことではない。しかし、コードの読みやすさという点に限って言えば、それを難しくしている要因のひとつだろう。
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コードを読むのが難しいもうひとつの理由は、「表現下手なコード」が多いということだ。日本語でも、ブログなどを読んでいると、何を言いたいのか全く分からないような文章に出会うことがあると思う。ソースコードでは、それがもっと頻発する。
文章を書く場合は、その第一の目的が「伝える」ということなので、書き手は読みやすさということを意識するものだ。しかし、ソースコードを書く場合は、「伝える」ということ以前に「プログラムが正しく動作すること」に意識が行く。そのため、可読性はなおざりにされがちなのだろう(「誰のためのコード? 」も参照)。
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同じ機能のプログラムを作る場合でも、ソースコードは色々な書き方ができる。そんな中で、より読みやすい「表現」を選ぶこと。私はそれを「読者指向プログラミング」と呼んでいる。読みにくいコードはバグを混入させやすく、変更もしにくい。同じ機能を作るなら、読みやすいコードを書くべきである。
読みやすい文章を書くためには、ある程度の技術が必要である。それと同じ様に、読みやすいコードを書くためにも技術が必要だろう。例えば、関数設計、クラス設計が上手くできなければ、読みやすいコードを書くことはできない。しかし、読者志向プログラミングでもっと大事なことは、「読者を意識する」ということである。そして、どう書けば読みやすくなるか、ということを考えることだ。
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プログラミング初心者には、どんなコードが読みやすいか分からないかもしれない。最初は、とにかく他人のコードを読むという経験が必要だろう。自分で多くのコードを読めば、どんなコードが読みやすく、どんなコードが読みにくいか、よく分かるようになるだろう。
そもそも、プログラマにとって、コードを読むことは、コードを書くことと同じくらい重要である。他人の書いたコードをデバッグしたり、改造したり、流用したりする際には必須のスキルだ。入手可能なコードは積極的に読み、読みにくいコードも読みこなせるような力をつけることも必要だろう。
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