まずは丁寧なプログラミングを | 悪態のプログラマ

悪態のプログラマ

とある職業プログラマの悪態を綴る。
入門書が書かないプログラミングのための知識、会社の研修が教えないシステム開発業界の裏話は、新人プログラマや、これからプログラマを目指す人たちへのメッセージでもある。

子供の頃、習字や図画の時間には、「下手でもいいから丁寧に書(描)け」とよく言われたものだ。

「丁寧に」という言葉は、仕事の正確性や確実性を求めるものではあるが、それだけではない。むしろ、人間の精神面を重要視しているといってもいいだろう。つまり、「心を込めているかどうか」ということである。

と言うと、コンピュータ業界には似合わない言葉のように思われるかもしれない。実際、開発現場で「丁寧なプログラミングを」といった言葉はあまり聞かないようだ。しかし、ソフトウェアの開発はほとんど手作りと言ってよい。プログラミングという仕事ほど、丁寧さが求められるものはないのではないだろうか。


「美しいコードを書け」という言葉は聞くし、私もよく使う。しかし、考えてみれば、「美しいコード」とはどういうことかが分からない人には、意味が分かるはずもない。全くの初心者プログラマには伝わりにくい言葉だろう。

しかし、「丁寧に書け」と言われれば、少しは分かるだろうし、実践することもできると思う。冒頭の言葉からも分かるように、「丁寧さ」は技術力とは無関係だからだ。

例えば、変数や関数にきちんとした名前をつけることは初心者でもすぐにできる。このブログのエントリで言えば、「あなたにもできること」、「もっとコメント論」、「インデントについて考える」などに書いたこともそうだ。

つまり、それを読む人に懇切丁寧に内容を説明するつもりでコードを書くことである。「心を込めているかどうか」というのは、ソースコードを読む人のことを考えているか、ということと言ってもいいだろう。


もちろん、構造化やクラス設計が上手く出来なければ、美しいプログラミングはできない。しかし、書き方に丁寧さが欠けていても、やはり美しくないのである。初心者プログラマには、まず、意識して丁寧なプログラミングを書くことから始めて欲しいと思う。


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