鶴岡散策 | Archive Redo Blog

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DBエンジニアのあれこれ備忘録

 

羽黒山に参拝した後、午後は鶴岡市内を散策しました。

 

鶴岡散策のテーマは藤沢周平記念館と藤沢周平作品ゆかりの地めぐり。

 

羽黒山などもそうですが、藤沢周平作品、特に庄内藩をモデルにした架空の藩「海坂藩」を舞台に描かれる「海坂もの」と呼ばれる作品には、藤沢周平さんの故郷鶴岡の風景が様々な形で描かれています。

 

 

 

ここ龍興寺は「蝉しぐれ」に描かれているとのことですが、こうしたゆかりの地にはこのような案内板が設置されており、鶴岡市のガイドマップにも掲載されています。

 

 

 

市内を流れる内川は、五間川という名で様々な作品に頻繁に登場します。

 

川の流れを眺め、橋を行き来し、船が行き交い、土手を駆ける...

 

海坂に生きる人々の人生とともにあるこの川の情景は、目にしたことはなくてもありありと思い浮かべることができ、とても印象に残っています。

 

 

 

こちらは旧風間家住宅(丙申堂)。

 

 

 

明治29年に豪商風間家七代当主が建てた住居兼店舗だそうです。

 

 

 

この建物の特徴は、約4万個の石を乗せた石置屋根。

 

板張屋根の要所要所に石を置く石置屋根であれば見たことはありますが、ここまで隙間なくびっしりと置かれた石置屋根は見たことがありません。

 

それもそのはず、このような石置屋根は非常に珍しく、今ではこの丙申堂と酒田にある鐙屋の2軒が残るのみだそうで、その希少性から丙申堂は重要文化財に指定されています。

 

 

 

この石置屋根は2005年に大規模な葺き替えが行われたそうですが、板張りの屋根の上に防水シートを張り、その上に杉皮を敷き、きれいに洗った石を置きなおすという、大変な労力を要する作業なのだそうです。

 

それから11年たった今は、苔むしていい風合いになっています。

 

 

 

財力のある豪商が母屋の屋根を瓦屋根でなく、このような石置屋根にしたのは、庄内の御殿様への遠慮があったのだとか。

 

その一方で、二階の隅に装飾のようにつけられた赤瓦には庄内藩の藩主酒井家の家紋片喰紋がありましたが、これは鶴岡城の瓦をもらい受けたものだそうです。

 

明治になっても、旧主への敬意を忘れない豪商の心意気が感じられます。

 

 

 

また、この丙申堂の奥の小座敷は、映画「蝉しぐれ」で主人公文四郎と幼馴染みのおふくが再会する重要なシーンの撮影に使用されたそうです。

 

 

 

丙申堂のすぐ近くには、風間家旧別邸(無量光苑釈迦堂)があります。

 

 

 

こちらの見どころは庭園。

 

 

 

今は萩が少し咲いているくらいですが、春にはツツジ、特に白ツツジが見事なのだそうです。

 

丙申堂と無量光苑釈迦堂は、事前情報もなく、よくわからないままにふらっと入ったのですが、石置屋根のような非常に珍しいものも見られましたし、建物、お庭、調度品など、なんでも丁寧に説明していただき、とても内容の濃い旧家探訪になりました。

 

 

 

続いてはお目当ての藤岡市立藤沢周平記念館です。

 

ここは鶴岡市立の記念館で、藤沢周平さんの経歴や作品の紹介や、自筆原稿や愛用品、移築・再現した自宅書斎などが見られるほか、この時は企画展「神谷玄次郎捕物控」の世界が開かれていました。

 

ミュージアムショップやカフェなどはありませんが、資料を閲覧、試聴できるコーナーなどもあり、こじんまりとしていますが、資料館としては無駄なく充実した施設でした。

 

 

 

そんな藤沢周平記念館では過去の企画展の図録を販売していたので、記念品代わりにこの2つを購入しました。

 

常設展示では得られないような情報が満載でこれはなかなかよいです。

 

 

 

藤沢周平記念館は鶴ヶ岡城址公園内にあります。

 

が、この城址公園には鶴ヶ岡城の建物などは一切残っておらず、堀の一部が残っているくらいで少し残念。

 

 

 

かつて本丸があった場所には荘内神社が建っていました。

 

 

 

藩政時代の面影を残すものとしては、鶴ヶ岡城址公園の近くに藩校致道館があります。

 

致道館は1805年に創設された藩校で、他の藩が幕府の方針に従って朱子学を藩学とするなかで、荻生徂徠の提唱する徂徠学を藩学としたそうです。

 

 

 

その他、城址公園の近辺には、大正時代に建てられ、今は鶴岡ゆかりの人物を紹介する資料館となっている「大宝館」や、

 

 

 

重要文化財の旧西田川郡役所などいくつかの歴史的建造物を移築・公開している致道博物館など、いろいろ見るところがありましたが、時間切れで中まで見ることはできず。

 

鶴岡ってなにがあるのだろうと、よくわからないままに散策してみましたが、なかなかどうして、観るものいっぱいありますね。

 

 

 

この日の晩御飯は鶴岡駅の売店で偶然見つけた「庄内弁」

 

 

 

同じく、東北限定の「どん兵衛芋煮うどん」

 

 

 

庄内弁は、めじか鮭、つや姫、だだちゃ豆を使っためっこい巻を中心に、庄内豚、庄内麩、鶴岡名物むし玉子、温海の赤かぶ漬、民田茄子のからし漬など、庄内地方の名産品、名物料理がギュッと詰まったお弁当。

 

少しずつですが郷土の味を味わえますし、どれもこれも丁寧に作られていてとてもおいしいです。

 

1,200円と量の割には少々高めですが、満足感の高いお弁当です。

 

 

 

どん兵衛はしょうゆ仕立ての出汁で乾燥具材で芋や肉が入っています。

(肉はカップヌードルの肉と同じ?)

 

芋煮のしめのうどんのイメージ(?)とはまたちょっと違うような気もしますが、まあ、普通においしいです。

 

でも、山形の芋煮会のしめはカレーうどんの方が隆盛らしいので、どん兵衛も芋煮カレーうどんの方がよかったんじゃないかなぁ...