検察は「小沢起訴相当」にどう対処するのか | 永田町異聞

検察は「小沢起訴相当」にどう対処するのか

小沢一郎の不起訴に対する不服を、東京検察審査会に申し立てた「在日特権を許さない市民の会」の桜井誠氏は自身のブログに、以下のように理由を記している。


「不起訴決定後、極力早く審査申し立てを行いたかったため、今回の申し立ては桜井一人だけで行いました。小沢一郎という巨悪を眠らせてはいけないこともありますが、外国人参政権実現のために誰よりも積極的なこの民主党大物政治家の動きを止めなければならないからです」


外国人参政権の実現を阻止するのがいちばんの目的のようだ。


この申し立てを受けて、東京検察審査会は審議を進め、11人全員一致で「起訴相当」とした。「容疑内容」(47NEWSより)は以下のとおりだ。

 

小沢氏は陸山会の代表者。真実は陸山会が、2004年10月に代金約3億4千万円を支払い、東京都世田谷区の土地を取得したのに、

(1)会計責任者の元公設秘書大久保隆規、元私設秘書の衆院議員石川知裕の2被告と共謀の上、05年3月ごろ、04年分の収支報告書に、土地代金の支払いや土地を記載しないまま、総務大臣に提出した

(2)大久保、元私設秘書池田光智の2被告と共謀の上、06年3月ごろ、05年分の収支報告書に、土地代金分を含む約4億1500万円を事務所費として支出し、土地を05年1月7日に取得したと虚偽記入し、提出した―ものである。


もっと簡略に書けばこういうことだろう。


小沢氏は秘書と共謀して、陸山会が04年10月に約3億4千万円で土地を購入したことを04年の収支報告書に記載せず、05年1月7日に取得したと05年の報告書に虚偽記入した。


つまり、約3ヶ月、土地購入(取得)時期がずれているということで、政治資金規正法違反に問うているのである。


昨年4月1日の朝日新聞インタビュー記事で東京地検特捜部長、宗像紀夫はこう述べている。


「検察の伝統的な考え方では、政治資金規正法違反というのは、例えば多額のウラ金を取得していたようなケースでない限り、事件の最終目的とはなりえない。第2、第3の、贈収賄や脱税などのより悪質、重大な犯罪の摘発が後に控えているときにのみ、政治資金規正法違反による強制捜査といった例外的な捜査手法が許されるのです」


現特捜部長、佐久間達哉氏も同じ考えだったと思われる。土地購入の記載期日がずれているだけでは悪質とはいえないからだ。


特捜部が「後に控えている重大犯罪」とにらんだのは水谷建設からの裏献金だ。


別件で服役中の中堅ゼネコン「水谷建設」元会長、水谷功は「平成16年10月と17年春に5千万円ずつ計1億円を小沢氏側に渡した」という供述調書にサインしている。


これにより、平成16年当時、胆沢ダム(岩手県)を水谷建設が下請けで受注したことの見返りとして小沢側に裏金を渡したという筋書きを特捜部は組み立て、異例の荒っぽさで強制捜査に突き進んだ。


ところが、それを裏づける証拠はついに出てこなかった。唯一の手がかりだった水谷会長の供述は信憑性に疑問があった。特捜部の口車に乗って、偽証した前科があったからだ。


収賄容疑で逮捕、起訴された前福島県知事、佐藤栄佐久について、贈賄側とされる獄中の水谷会長は面会した佐藤の弁護士にこう言った。


「一審での供述は、当時自分の裁判が進行中だったので、不利にならないよう検察官から言われたそのままを証言した」(佐藤栄佐久「知事抹殺」より)


逮捕された小沢側の石川議員や元秘書ら全員が「絶対に水谷からカネは受け取っていない」と断言し、ついに、東京地検特捜部は水谷からの裏金の立証を断念、小沢一郎を不起訴としたのである。


さて、検察審査会の議決を受け、再捜査をすることになった検察の心理は単純ではないだろう。


普通なら、不起訴という判断を否定されたのだからいい気分ではないはずだ。検察の権威にかかわる話である。


しかも、何も出てこないことを承知で再捜査しなければならない。再び不起訴とし、二度目の検察審査会でまたまた「起訴相当」になる可能性もある。


そうなると、強制起訴が確定し、小沢捜査の全資料を検事役となる指定代理人の弁護士に渡すことになり、無理筋といわれた捜査の全貌が閉鎖的組織から外へ流出する。


しかし一方で、小沢一郎を政界から追放するという目的のためには、再捜査は絶好の機会である。


参院選を前に、「市民感情」のお墨付きを得て、事情聴取などをおこなえば、マスメディアの報道合戦が再び過熱し、民主党政権に壊滅的打撃を与えられるかもしれない。


再捜査し、不起訴にして、指定代理人による強制起訴の可能性を生むよりも、なんとか検察の手で起訴したいと考える場合、どうなるか。


「贈収賄や脱税などが控えているときにのみ、政治資金規正法違反による強制捜査が許される」という、宗像氏が語ったこれまでの検察の考え方を完全に無視することがありうるかもしれない。


つまり、今回の検察審査会の容疑内容に従って、検察当局が与党の幹事長を、単なる収支報告書の微罪で起訴するという前代未聞の事態も起こりうるということである。


果たしてそれでいいのかどうか。われわれは今一度、検察審査会が提示した容疑内容の軽重をはかってみる必要があるのではないか。


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