日程国会から議論国会への転換を
テーマ:政治「国対政治」といえば、裏取引のイメージが強い。
強行採決はもちろん乱闘さえも、与野党の筋書き通りに進めて、支持団体に言い訳ができるようにしておく。裏金や接待も付きもので、自民、社会両党のなれあい時代にしばしば行われた。
20日未明の深夜国会で、いわゆる「返済猶予法案」が強行に採決されたのを、朝日新聞社説は「国対政治」への逆戻りと論じているが、より正確に表現するなら、「日程政治」がまだ続いているということだろう。
「日程政治」とは、政策論議より、会期や審議スケジュールをめぐる駆け引きが中心となっている日本の国会運営の現状を嘆いた言葉である。
「会期不継続の原則」というものが幅を利かせている。会期中に議決できなかった案件は廃案となる原則だ。そこに最大の問題がある。
内閣が提出した議案を、少数の野党が通さないようにするためには、審議を遅らせて、審議未了とし、廃案に追い込むことが主要な国会戦術となる。
そうはさせまいと、与党の国対幹部が必死に防戦するのは、今の制度ではしかたがない。政府与党の重要政策を実現しなければ、次の選挙結果にかかわってくるからだ。
さてそこで、国会改革というものが、どうしても必要になる。日程をめぐる駆け引きで国対族、議運族ら腕力の強い政治家が活躍する場から、政治家どうしのガチンコ政策論議の場へと、国会を変えていかねばならない。
どうすればいいのか。官僚答弁禁止など、国会改革に執念を燃やす小沢一郎幹事長の求めに応じ、21世紀臨調の佐々木毅(元東大総長)、飯尾潤(政策研究大学院教授)ら五人が11月4日に緊急提言をしている。
まず改革の前提として、有識者らが挙げているのは、常会、臨時会など細切れになっている会期を見直し、「通年国会」にすること。すなわち休会期間を含む300日以上の長い会期に改めるよう求めている。
そして、「会期不継続の原則」をなくし、たとえば選挙で会期が切れて審議未了となっても、選挙後の国会で自動的に審議が継続できるようにする。
そうすれば、会期を気にせず、必要なだけ議員どうしが法案についての議論を闘わせることができ、戦後日本の国会を歪めてきた「日程国会」を「議論国会」に転換できるというわけだ。
これからの政治は、国対族、族議員といったどちらかといえば裏で腕をふるう連中が力を失い、堂々たる議論を国民の前で展開できる政治家が台頭するような仕組みにしてゆかねばならない。
小沢一郎氏が政治改革の集大成としてめざすべき方向は、そこにある。
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