「民主党チェンジ進んでいる」と書いた週刊朝日 | 永田町異聞

「民主党チェンジ進んでいる」と書いた週刊朝日

「売ってナンボ」の週刊誌が時の政権を肯定的に書くというのはけっこう勇気のいることだろう。


悪口やスキャンダルでこき下ろし、みんなで日ごろの鬱憤を晴らそうというのが、通り相場だ。


「鳩山首相 ほんにお前は屁のような」 (週刊文春4月8日号)


「鳩山さん、気は確かですか」(週刊現代4月17日号)

こんな按配に見出しをつければ無難で、社長の雷が落ちることもないと編集者は思っているのではないか。


だから、週刊朝日の4月16日号の表紙にでかく掲げられた「民主党チェンジ、ジワリ進んでいる」の見出しは、夥しい活字メディアのなかで、その“まともさ”ゆえに風変わりであり、かえって筆者の目を引いた。


鳩山政権はなにもできず期待はずれ。マスメディアの繰り返すネガティブなフレーズが多くの国民を洗脳して、ほんとうに何もできない内閣のようなイメージが刷り込まれつつある。


こういう世の中の空気を冷まそうとするかのように、週刊朝日の表紙はこんな言葉も付け足している。「もう半年」→「まだ半年」視点を変えると見える。


まだできていないことばかりで騒ぎ立てるのではなく、半年の間で着実にチェンジしつつあることをしっかり見ようではないかというのだ。


筆者は週刊朝日とは何の縁もなく、宣伝する義理は全くない。しかし、こういう視点がマスメディアに欠けすぎているから、あえて取り上げる。


では、記事の中身だが、まず「前文」でこう書いている。


「迷走イメージが強い民主党政権だが、予算を早期成立させ、自民党政権下では実現できなかった新政策をかたちにするなど、政権交代による“チェンジ”の波は深く静かに浸透してきている」


具体的なチェンジの例としてあげるのは、「事業仕分け」「公共事業削減」「人への予算」「高校無償化」「情報公開」「地域主権」「鳩山流」だ。


事業仕分けについては、「国会議員が本当の意味で予算に向き合った初めての例だ」という片山善博慶応大教授の評価を紹介する。これまでは膨大な予算書を細かくチェックする作業などハナからやる気がなく、官僚のなすがままにされていた。


公共事業は、前年度に比べ1兆3000億円、18.3%の大幅削減を実施し、削減率は過去最大となったと指摘。


人への予算では、子ども手当てがすぐ思い浮かぶが、自民党時代にはあり得なかった改革を長妻厚労相が実行しているという。その一つが「父子家庭への児童扶養手当支給」で、母子家庭だけでなく、困窮する父子家庭も救済されることになった。


情報公開は、記者会見のオープン化、官房機密費公開の検討、日米密約の解明など。


面白いのが「鳩山流」をチェンジの一つとしてあげていることだ。「鳩山流」とは何か。いくつかの部分を抜粋する。


「批判を受け入れる素直さに自民党政権とは違う息吹が」(テーマのサブタイトル)


「若い記者でも“さん付け”で呼び、相手の話をよく聞いて、一つひとつ丁寧に答える」(元番記者)


「かつての自民党の総理のように、業績だけを数え上げて強がることはしない」(首相周辺)


ただし、以上いずれの項目についても、手放しの評価ではなく、問題点の指摘を忘れてはいないことは、この記事が単なる“ちょうちん記事”と思われないためにも付け加えておく。


半世紀以上にわたって国家経営をしてきた自民党から国地方合わせて800兆円もの借金を引き継ぎ、麻生政権の税収見通しが9兆円も狂っていたからこそ、鳩山政権はマニフェストの実行に赤信号がともり、もがき苦しんでいる。


これを「屁のよう」などと、小ばかにするメディアが目立つのも、表現の自由とあらば致し方ないが、かなうものならもう少し、複眼的でバランスのとれた中身にしてほしい。


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