小沢資金4億円は夫人からの借り入れ? | 永田町異聞

小沢資金4億円は夫人からの借り入れ?

日本のメディアは、ともすれば優先順位を間違える。小沢の資金問題よりも、もっと大きく報道しなければならないことは山ほどあるはずだ。


このままでは、通常国会の審議も空疎な内容に終わる恐れがある。


早く、政治資金問題に決着をつけてもらいたいという思いをこめ、あえていま一度、小沢資金関連で気になる報道を取り上げたい。


まず、小沢一郎の元秘書、石川知裕衆院議員が東京地検特捜部に話したとされる以下の二つの内容。


小沢氏の事務所で現金を受領し、台車に載せて車に搬入し、別の事務所まで運んだ(日経)。


小沢先生のいるマンションに呼ばれ、先生から現金4億円の入った紙袋を手渡された(読売)。


いずれも、「関係者への取材」でわかったという。昔は素直に「東京地検特捜部の調べでわかった」と記事を書いたものだが、今はそれではまずいらしい。


リークは国家公務員の守秘義務違反にあたるからだ。いつのころからか、検察の要請で記事の書き方を変えたようだ。


それはともかく、事情聴取した内容を検察以外の者が知っているはずはない。一般的には、上記の二つの供述内容は東京地検の谷川恒太次席検事あたりから漏れていると勘ぐられても仕方がない。


こうした各社の断片情報がくっついて、世間に情報は拡大拡散され、ついに「石川は4億円を複数の紙袋に分け、台車で運んだ」という、ほとんど幻想のような話が一人歩きする。


「小沢がゼネコンあたりから受け取った裏金に違いない」と、多くの人が疑いを持ち、関連する有力情報が検察やメディアに寄せられるようになれば、リークのしがいがあろうというものだが、今のところそうはなっていないようだ。


それどころか、昨日発売の週刊朝日には、巨悪の小沢像を描くのに血眼になってきた社会部記者たちが卒倒しそうな記事が掲載された。


小沢一郎の土地購入原資4億円は夫人から借りたカネだった、というのだ。


「永田町関係者」と、ここも情報の出所ははっきりしないが、とにかく、この人物が以下のように語っているらしい。


「この4億円、実は小沢さんが自分の奥さんから借りたカネのようなんです。それで小沢さん周辺が、検察に対して、奥さんの口座番号を教えて確認させたようで、永田町では“小沢聴取ムード”が一気にしぼんだという話でもちきりです」


夫人の口座番号を教えたというのは、すこしばかり具体性があって興味深い。


小沢夫人、和子さんといえば、新潟を代表する建設会社「福田組」前会長、福田正氏(故人)の長女である。


フリーランスや週刊誌記者は、司法記者クラブに所属していない分、検察に気兼ねなく書ける。昔のように、検察や警察など、いわば「大本営発表」だけがホンモノだと素直に信じている人は少ないだろう。


新聞の書く「関係者」と、週刊朝日の書く「永田町関係者」、どちらの関係者が真実に近いことを言っているか、それはいまのところ読者の判断に任せるほかない。


しかし、かりに小沢氏が奥さんから土地購入代金4億円を借りたというのが本当だとしたら、検察がこれで小沢を追い込めると腕まくりした「ゼネコンからの裏金」ストーリーは、あっけなく崩れることになる。


そういえば、昨日の定例会見では、検察に怒っているはずの小沢がほとんどこの件について語らず、「検察はすべてご存知のはずです」と最後に付け加えたが、これを自信の表れとみることができなくもない。


田中角栄、金丸信の金脈事件を近くで見続け、彼らを「反面教師」として、政治献金がらみの法律には人一倍気をつかう小沢のこと。鳩山首相のファミリー献金の処理のようにずさんなやり方をしているとは考えにくい。


検察がそのガードを突き崩すのに苦労し、このところ焦りさえ感じられる。リークされる内容をつぶさに見れば、捜査がほとんど進展していないことがわかるはずだ。


メディアを使って汚職事件のごとく大騒ぎさせた西松献金問題で、小沢の秘書を政治資金収支報告書の虚偽記載に問うしかできなかった東京地検特捜部。


佐久間特捜部長以下、この国を正すという意気に燃える精鋭たちが「4億円=ゼネコンなどからの裏金」という筋書きで失地回復に突っ走ろうとしたのだろうが、もしかりに、土地購入原資が和子夫人からの借り入れだったら、今度はどうするつもりだろうか。


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