谷垣総裁が藤井辞任の理由にあげる資金問題とは | 永田町異聞

谷垣総裁が藤井辞任の理由にあげる資金問題とは

藤井財務相が辞任する背景に、自由党幹事長時代の資金問題があるという説が飛び出し、メディアが取り上げはじめた。


どうやら出所は、谷垣自民党総裁らしい。日経によると、谷垣氏が昨日、「政治とカネの問題も色々ある」と話したという。


そして、その日経記事は05年2月の衆院予算委で自民党の松岡勝利が追及した問題を蒸し返した。1998年分の自由党の政党助成金から15億2000万円が組織活動費として藤井氏個人に支出され、使途不明になっているという件である。


具体的に谷垣氏がここまで話したかどうか、この記事では判然としない。


しかし「閣僚である藤井氏が矢面に立たされる可能性も『辞任の背景にある』との解説だ」と、記事を締めくくっているところをみると、主語がない文章だが、谷垣氏がそう解説したということになる。


さてこれは、はたして単に民主党政権への攻撃だけを狙ったトークだろうか。こんな話をメディアが騒ぎ立てると、心おだやかならぬ幹事長経験者が自民党内にもいることくらい承知のはずだ。


05年2月2日の予算委で、松岡は麻生総務大臣にこう質問した。


「02年の7月と12月の2回で合計15億2090万円が組織活動費として藤井氏個人に支出されているが、その後どう使用されたのかわからない。何に使用したのかということを明確にすべきではないか」


麻生大臣は次のように答弁した。


「政党助成法で報告が求められているのは、政党から政党交付金を受けた者までであって、受領した者が資金をどのようなものに用いたかについては、報告を求められないことになっております」


松岡議員は自由党が民主党と合併する前年の不透明な資金の流れを問題にしたのだが、当時の小泉政権には、そこに深入りしたくない事情があった。


同じ問題で、2001年2月6日、当時の首相、森喜朗が市民団体から政治資金規正法違反で告発されていたからだ。


告発の対象になったのは、自民党の政党助成金から支出された1998年と99年分の組織活動費。森が幹事長だった時期である。


告発状によると、98年には、組織活動費70億1387万円のうち、58億5070万円が国会議員に配られ、大口では加藤紘一に45回計9億3710万円、森喜朗に23回計4億1210万円が支出されている。


99年には、組織活動費62億5641万円のうち48億470万円が国会議員に配られ、森喜朗は50回計7億1420万円を受け取っている。


しかし、この巨額資金を何に使ったかは、政治家個人の資金管理団体の報告書や申告書に、いっさい記載されていない。


告発したグループは「これでは国会議員が自民党から受領した組織活動費を何に使ったか、誰からもチェックを受けないということが許されることになる。そのような特別な法律は存在しない」と指摘した。


これに対し、2001年11月21日、東京地検は「嫌疑なし」という理由で不起訴を決定している。


つまり、東京地検は政党助成金の使途を報告する必要はないと認めたことになる。前掲の麻生答弁は地検の判断に沿ったものといえる。


であるならば、藤井氏が自由党幹事長時代に、組織活動費として受け取った15億2000万円の使途を報告していないことは何ら問題ないことになり、谷垣氏がいまさらこの問題を蒸し返す発言をするのは甚だ不可解である。


ただし、根本的に政治資金規正法を見直し、政党助成金の使途を全面公開する方向に進めようということなら、話は別だ。それこそ与野党が前向きに議論するべきテーマであるに違いない。


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