矢野絢也、外国特派員協会で創価学会を語る | 永田町異聞

矢野絢也、外国特派員協会で創価学会を語る

評論家活動を妨害されたとして、創価学会を提訴している元公明党委員長、矢野絢也がこのほど、日本外国特派員協会で、スピーチした。


提訴内容については、6月16日の当ブログ に書いてある。今回は、講演で語られた公明党幹部時代の政官界工作を中心に、創価学会・公明党に迫りたい。


矢野は公明党所属の政治家として30年間を過ごした。政治や学会関係について書きためた手帳の数は100冊近い。


それを、3年前、元公明党国会議員3人が家捜しして持ち帰ったという。返還訴訟を起こしているが、一審の東京地裁は矢野の要求を認めなかった。


手帳に書かれているうち、公明党書記長だった矢野が創価学会のためにおこなった工作については、言論出版妨害事件、月刊ペン事件などをあげた。


70年の言論出版妨害事件は、当時の自民党幹事長、田中角栄に、政治評論家、藤原弘達が書いた暴露本「創価学会を斬る」の出版差し止めを依頼したとされる。


月刊ペン事件は、75年末から76年4月にかけ「月刊ペン」誌上で、編集長の隈部大蔵が池田大作の女性間係を暴露。相手とされた多田時子、渡部通子の告訴により名誉毀損罪で隈部が逮捕され、一審、二審で有罪になった。


これについて矢野は「編集者が逮捕されるという異例なことを、どうしてできたのか、いきさつが手帳に書いてあった」と語る。


このとき、矢野や顧問弁護士の山崎正友らがどのような工作をしたかは、山崎の著書に生々しく書かれている。


「裁判官や検事に根回しし、警視庁に圧力を掛け、笹川良一氏、陽平氏父子に頼んで、月刊ペン社長と弁護人の懐柔工作を行い、二千万円を相手側に支払って、池田大作を証人出廷させないまま、隈部大蔵に有罪判決が下るよう司法を曲げる作業の中心者として働いたのだ。もちろん、池田大作の厳命によるものである」


このような工作活動が効力を発揮したことは信じがたいが、矢野のメモにはおそらくこの重大な記録が残されているのだろう。ただ、30年以上を経たいま、全ては「薮の中」というほかないのかもしれない。


矢野は自戒をこめて言う。


「二度にわたる国税調査のときは、何度となく国税庁に足を運びました。学会にとって危機的な案件が次から次へと出てきた。ほぼ1週間に3回か4回くらい本部で打ち合わせをして情報も集め大きな声で言えないようないろいろな工作をやりました」


そのころの創価学会はまだよかった。今は、すっかり変わった。そういって次のような学会の現状を嘆いた。


「脱会する人に嫌がらせをする。半ば無理やりに、会員を選挙活動に駆り出す。お金集めをやる。海外にはきわめて危険な団体と規定している国もあると聞いております」


フランス国民議会が創価学会を有害カルトと決めつけていることを指しているのだろう。


池田大作名誉会長については「目をかけていただいて感謝している」としながらも、「ロビー活動をうのみにして名誉会長に外国の大学などが名誉博士号や勲章を授与しているのでは」と疑問を投げかけた。


矢野は何度も何度も繰り返した。「これは中傷ではない。これを教訓に、正しい宗教団体になっていただきたい」


矢野の息子夫婦や孫らが正体不明のグループから、これまでの3年間、毎日のように監視され、尾行され続けた事実も明かした。「ビデオや写真を撮っている。いずれ法的措置をとりたい」と言う。


矢野は恐怖におびえながら守り続けた沈黙を破って、創価学会と公明党に挑戦状をたたきつけた。マスメディアでさえタブー視する相手の“権力”が、一人で太刀打ちするにはあまりにも巨大であることは矢野自身がいちばん知っている。                      (敬称略)


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