如是我聞:静岡県のお葬式  | 葬儀屋さんの社長のお葬儀ブログ

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地方のお葬式事情「如是我聞」、初回は
静岡県です。

お葬儀費用は全国平均(230.1万円/平成19年データ)より高い
247.4万円!(飲食接待費用が22.3万円と比較的高いのが特徴です)


●「火葬が先」?「葬儀が先」か

多くの地域では告別式⇒葬儀⇒火葬ですね。
僕もそれが普通だと思っていましたが、
それが地区によってまちまちなのが静岡県なんですね。

静岡市や下田市などでは、
火葬場から遺骨を持って菩提寺へ行き、そこで葬儀・告別式
をとり行うとか。
いわゆる「前火葬」です。

遺骨は告別式後に、そのまま境内の墓地に埋葬され、
そのまま寺院内で、あるいは場所を変えて精進落としを行うのだそうです。

は、はやい・・・。東京人の僕はちょっとびっくりです。

しかし、他の地方と同じように葬儀の後で行う地区やご家族もあり、
それぞれに伝統を守っているようです。



●「隣組」の存在

最近では少しずつなくなってきている習慣のようですが、
冠婚葬祭には地域の近隣組織も機能していて、
自宅での葬儀では、
「隣組(となりぐみ)」「弔い組」や「班」と呼ばれる住民の組織が、
寺院との連絡やお葬式の準備などを手伝う
ケースがあります。



●棺は「仮門」から?花籠で「撒き銭」?三角布?

沼津市周辺では、柩は「仮門」から出すというところもあります。
仮門とは、アーチ状に組んだ二本の笹竹で、玄関の両側で二人が持ちます。
柩が出されると、柩の置かれてあった座敷をはき出すといった習慣が県内各地にあります。


また、一部地域では、
墓地へ出向く際に遺族や近親者が額に白い三角の紙をつける風習が。
この白い三角の紙は死装束のひとつ「宝冠(ほうかん)」です。
白い布を身につけることによって、故人と同じ格好をすることになりますが、
「故人が旅立つまでは、私たちも共に見送りますが、そこから先はお一人で旅立ってください」と
いう意味が込められているのです。


また、墓地へ向かう際には小銭やお米を撒く風習「撒き銭」も行われています。

この際、農村部などでは、竹でゆるく編んだ、運動会の「玉いれ」で使うかごのような形の「花籠」を
竹竿の先にくくりつけたものを使います。
花籠は2本で1対とされていて、かごの底には和紙をひき、
故人の年齢の数だけ小銭を入れておき、
四辻の真ん中などで立ち止まり、かごを振って小銭を落とすのです。

これは、知らない人にも分け隔てなく「広くほどこす」ことによって、故人が功徳を積み、
あの世で良い思いができるようにとの願いが込められているそうです。



静岡県では
いろんな方の手を借りて、地域で送り出す風習が残っているんですね~。
飲食代が多いのもそこから来ているんでしょう。