僕と同じころに入社したスタッフの後藤君をご紹介します。
実は元トラックの運転手です。
・・というとお葬儀とは程遠いタイプの人を想像してしまうでしょうか。
彼はとびきりのイケメンとは言えないけれど、
柔和な笑顔と軟らかな物腰が持ち味。
なんというか、決して出しゃばらないけど、おさえるところはおさえてくれるし、
いつの間にかそばにいてくれる。
そんな安心感が同僚としてもそうですが、葬儀社としてもあるんですよね。
一生続けられる仕事がしたい、と
お父様の紹介でうちの葬儀社に転職してきたのが15年前のことです。
初担当者デビューはちょっと遅めでした。
というのも当時、葬儀社はどこも手取り足とり先輩が教えてくれる職場ではなく
見て盗め、学べの世界だったのです。
後藤君の場合も先輩のカバン持ちの日々が3年ほど続いたあとでした。
「初めて任されてうれしかったですね。
市民葬ご希望だけに、本当にお金がないご様子でしたが、
故人をちゃんと送ってあげたい、というお気持ちは伝わってきました。
とにかくミスがあってはならないと、
任された嬉しさと、ご遺族のお気持ちに応えたくてがんばりましたね。」
表には出しませんけど、
彼もさまざまな思いをしてきたんだと思います。
「故人の死は遺族にとって悲しいことです。
でも悲しんでばかりではいられないから、
受け止めて笑みを返すようにしています。」
うちの葬儀社のテーマ「癒し」を体現してくれている大事なスタッフです。
そんな後藤君、実は苦手なものが。
なんと、ホラー映画やお化け屋敷!
「本物のご遺体は大丈夫なんですが、作りものはなんかダメなんですよ・・」
『ご遺体=一人の人間』として普段接しているからなんでしょうね。