この一年間で先生たちの給料が劇的に上がった今日この頃、みなさま、いかがお過ごしでしょうか。小学校教諭で25%の上昇。国がいかに教育を大切にしているかがうかがえる。仕事へのやる気の方は25%もアップしないから涙目。


 さて今回も『ラオスがもし100人の村だったら』。人口656万人のラオス人民民主共和国を100人の小さな村にたとえて、その現状をわかりやすくお伝えします。


 ラオスがもし100人の村だったら~ラオ族と49の少数民族。。。


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   ラオスの子どもたち。日本人の知ら

   ない多民族国家ならではの問題も。


⑦100人のうちの60人がラオ族という民族で、他の40人は実に多くの少数民族に分かれます。


 民族によって言語が違うので、ラオス語の読み書きができない人が多くいます。地域によっては、就職先や結婚相手が限られるなどの酷い差別を受ける民族も少なくありません。

 「あなたは、何族ですか?」そんな会話が当たり前のように交わされるのです。差別があるだけに、とても怖い質問に聞こえてしまいます。


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   少数民族の中でも最も多いのが、この

   モン族。主にラオス北部の山岳地帯で生活。


⑧100人のうちの67人が仏教という宗教を信仰しています。残りの33人はアニミズムやキリスト教など様々です。


 ラオス各地、村に一つずつ仏教寺院があり、オレンジ色の袈裟を着たお坊さんたちが住んでいます。お坊さんたちは毎朝、托鉢に村を回り、村人から喜捨された食べ物を食べて生活しています。

 村人は、満月や新月の日など、一月に2・3回程、村のお寺へ行ってお参りと托鉢をします。

 その他に多いのがアニミズムで、精霊信仰が主です。身の回りにある全てのものに精霊が宿っているという考え方です。


⑨100人のうちの61人が16才以上の働くことのできる人々です。


 16才からは労働人口とみなされます。この61人が生産するもので、子どもから高齢者までの非労働人口の保健・福祉をはじめとした社会生活を担っています。

⑩16才以上の61人のうち、17人がラオス語の文字を満足に読むことができません。


⑪16才以上の61人のうち、47人が中学校を卒業できないまま働いています。


⑫16才以上の61人のうち、48人が農業・酪農業の仕事をしています。


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  水田・乾田での水稲・陸稲作りが中心。

  6~8月は学校が田植え休みに。


 残りの13人のうち、6人が工業で、6人がサービス業の仕事をしています。GDP(国全体で作るものやサービス)の65%はこの13人が生産しています。残りの35%を大多数の48人で分けているのです。いかに農業・酪農業従事者が貧しい暮らしをしているのかがわかります。


 ラオスの一人あたりのGDPは、たったの1,203US$(世界145位)です。日本は、45,920US$(世界18位)です。日本に比べるとラオスは、一人あたりで38分の1程しか生産することができずに生活していることになります。


 しかし、経済成長率(国の経済がどれくらい成長したかを表す割合)では、ラオスは+8.26%(世界17位)という驚くほど急速な成長を見せています。


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   中国の支援で首都ビエンチャンに建設中の

   ワールド・トレード・センター・ビエンチャン。


 今は貧しくとも、日に日に発展していく喜びを肌に感じながら、未来への希望を持って生活することができているのです。


 もしかすると、豊かであるということよりもずっと幸せなことなのかもしれません。豊かさの象徴・日本は今、幸せを感じることができているのでしょうか。