この一年間で薄型テレビが驚くほど普及した今日この頃、みなさま、いかがお過ごしでしょうか。放送電波がデジタル化されたら市場のおばちゃんたちが仕事中にテレビを見られなくなるから涙目。

 さて今回は、『ラオスがもし100人の村だったら』。人口656万人のラオス人民民主共和国を100人の小さな村にたとえて、その現状をわかりやすくお伝えします。

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ラオスがもし100人の村だったら…


①100人のうちの63人一日2ドル未満で暮らす人々です。


 村人のうちの63人が一日2ドル(約160円:2012年9月現在)未満でくらす貧困層と呼ばれる人々です。さらにその中には、一日1ドル未満で暮らす最貧困層と呼ばれる人々が26人もいます。世界には、この最貧困層の人々が11億人もいると言われています。


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②100人のうちの70人がラオ・ルム族、20人がラオ・トゥン族、10人がラオ・スーン族です。


 村人のうちの70人が低地で水田や畑を作って比較的豊かに生活する「ラオ・ルム」です。20人は少し高い丘陵地で水田と焼畑をして生活する「ラオ・トゥン」、残りの10人は、高い山で畑を作ったり狩りをしたりして、とても貧しい生活をする「ラオ・スーン」です。


③100人のうちの55人満足に電気と水道を使うことができません。


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 村人のうちの26人が安全な水を飲むことができずに不安な生活をしており、55人が24時間満足に電気を利用することができません。

 その一方で、7人は電気だけでなく、自由にインターネットを使うこともできます。


④100人のうちの60人が水洗または汲み取り式のトイレを利用しています。


 村人のうちの40人は、衛生的なトイレを利用することができずに生活しています。


⑤100人のうちの25人歩くか自転車で移動しなければなりません。


 村人のうちの25人は歩くか自転車で移動しなければなりません。

 その一方で、60人の家にはオートバイがあり、10人の家には自動車もあります。


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⑥100人のうちの27人は、銀行に口座があり1000円以上の預金を持っています。


 村人のうちの27人は、銀行に口座があり、いつでも自由に預金を引き出すことができます。


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 ラオスでは、地方で非常に貧しい生活を余儀なくされている人々がたくさんいる反面、市街では上の写真のような豪邸がいくつも見られます。また、県庁や文化会館などのような国の施設には莫大な予算・資金がつぎ込まれています。


 大勢の貧しい人々と極一部の大富豪。


 広がり続ける貧富の差。


 国民の生活をよそに優先されていく公共事業の数々。


 ODAに頼りきっている国家予算。


 溢れる都会と不足する田舎。


 ラオスならではのよさ、自然から与えられるものに日々感謝しながら小さな幸せを見つけて、質素に生きる、そんな素朴な生活が今、音を立てて崩れていくのを感じます。豊かさを手にするかわりに、失うものがある。その大きさに気づく日はいつになるのでしょうか。