ちょっと話が前後するけど…



土曜日、実は大変だった。


前々回の記事でお通夜があると書いたが

お通夜にしては早い時間の5時開始。


晩の支度で忙しい主婦にとっては

助かる時間ではあるのだけれど


4時過ぎにデイサービスから帰って来る

13番さんを待っていては間に合わない。


そこで、前の晩からじいちゃんに



13番さんのあな ―介護家庭の日常―

と、頼んでおいたのだ。


もちろん、朝出かける時も

ばあちゃんの帰宅時まで

1階で待つことを含めてコンコンと。




それが4時過ぎ


葬儀場に着くと同時に

携帯の着信音が鳴った。


じいちゃんのデイサービスつるさんからだ。


何とじいちゃん

カギを忘れたんだって!!


13番さんのあな ―介護家庭の日常―

いつも家の鍵を持ち歩いてるじいちゃんなので

ワタシも油断した。



とりあえず

受付だけ済ませておいて

(翌日、葬儀には参列できないので

 最悪、ご香典だけはお渡ししとかなきゃね)

同行した人たちに後を頼んで

家へ特急Uターン。


家に着いてもじいちゃんは

送迎車に『お持ち帰り』されちゃったので

再度帰って来るのを待ってなきゃいけないし

ばあちゃんもワタシが家に着くのとタッチの差で

デイサービスかめさんに『お持ち帰り』

ばあちゃんのデイにも連絡せねば。。。


もう、ワヤですわ。←方言です。


結局通夜式が始まる5時過ぎに

じいちゃんご帰還。


この後帰って来るばあちゃんのコトを

念入りに頼んで

再び葬儀場へ。



13番さんのあな ―介護家庭の日常―

何とかご焼香には間に合った。


ああ、落ち着きのない参列者。

オハズカシ。


ま、今回は

ワタシの落ち度。


もう、じいちゃんに

状況判断とか

物事の理解を期待することは無理なようだ。


小学校1年生の初登校よろしく


13番さんのあな ―介護家庭の日常―

細かい確認が必要。


昨日できてても今日できないことは

よくあることで。




さて


本日書きたかったのはこんなことではない。



じいちゃんのデイサービスにこの日

一通の手紙を書いたのだ・・・。



数日前

じいちゃんのシーツの取り替えで魔窟に行った時


たくさんのスナップ写真が

床の上に散乱していた。


もちろん撮影者はじいちゃんだろうが


見るともなしに見ていると


13番さんのあな ―介護家庭の日常―

どうやらデイサービスで撮った写真のようなのだ。


デイサービスの看板やら

植えてある植物やら

それぐらいならまだ良いのだが

デイの利用者さんやスタッフの人たちかな?


何人かの人物の写真もあった。


ピースサインで笑顔で写っているひともあれば

にこりともせず緊張した面持ちのひと

中にはそっぽ向いてるひとまで。


これってどうなんだ?


『肖像権』なんて小難しい話を

持ち出すまでもなく

じいちゃんが相手の了承を得て撮っているとは

思われない写真もあった。


デイサービスつるさんに見学に行った際

感じたのは


13番さんのあな ―介護家庭の日常―


年齢層が高い事と

半身が不自由だったり

車イスだったりの人が多いということ。


リハビリ主体のデイサービスだから

当然といえば当然なんだが


そういう人の中には

自分の姿を写されるのを嫌う人も少なからずあろう。


写真にはそれぞれ

じいちゃんがワープロ打ちした

説明文がご丁寧に貼り付けてあった。


13番さんのあな ―介護家庭の日常―


ご本人が読んだら絶対気を悪くされるだろうな・・・。





じいちゃんも、もちろん現役時代があった。



職場での人としての評判は

どうだったかはわからないけど

ごく普通の常識人として社会と関わっていたと思う。

そうでなければ

それなりのポジションで責任のある仕事は任されない。


リタイア後は

肩書からも重責からも解放される代わりに

何も乗っかっていない『ただのじいさん』になる。


でも、

人間はすんなりと『ただのじいさん』にはなれんのだな。



じいちゃんはその上

リタイヤするやいなや難病に罹ってしまった。

「こんなはずではない」身体になっちゃったのだ。


うつ病を経て、2年ほど苦しんだが

持前の根性で立ち直ることが出来た。

それはそれで立派なことだと思うが


「自分はあの人よりまし」

と思うクセも引きずったまま。


どうしても人より自分を上に見たいという

悪いクセ。


それは長く競争社会を生き抜いたから

ついちゃったクセなのか


思い通りにいかないリタイア後の身の上で

ついちゃったクセなのか


はたまた

じいちゃんの持って生まれたクセなのか




家の中でじっとしている分には問題ない。

(いや、ヨメの扱いとしては問題大アリだが)


それが久々の社会デビュー。

デイサービスに通うようになって

問題再燃。


やたらに写真を撮ることもさることながら

じいちゃんがデイの他の利用者さんとの関わりを

どうとらえるか、

それによってはいらぬトラブルも招きかねない。


そう思って

スタッフさんに手紙を書いたってわけ。



・ずっと通所をいやがっていたじいちゃんが

 つるさんには喜んで通うようになったこと


・じいちゃんの数少ない趣味が写真撮影であること


・デイサービス内で他の利用者さんの写真も撮っている

 ようだが嫌がっている人もあるのではないか


・もし、デイサービスでもお困りなら

 家族側からも申し添える


内容はこんなところ。


説得は難しいかもしれないけど…。



結果は

送って来て下さったスタッフさんが

じいちゃんを車から降ろす前に説明してくれた。


13番さんのあな ―介護家庭の日常―

「利用者の皆さんも、撮っていただいて

 喜んでいる方もいらっしゃいますが

 やはり、嫌がられている方もいらっしゃいます。

 山田さんには、わけをお話し

 今回限りということでご了解いただけました。」


と、いうことで落着(したようだ)


今後、じいちゃんがどう出るかは分からないが


スタッフさん

ご面倒かけました。


考えてみれば

子どもでも

オトナでも

年寄りでも


根幹はあんまり変わらなくて

人より自分のがマシと思いたい気持ちが

少なからずあるんだろう。

ワタシも含めてね。


とりあえず、

つるさんでは問題起こさず

穏やかに過ごしてもらいたいもので。


やっぱ


13番さんのあな ―介護家庭の日常―

こーゆーことっすね。








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