ACT.190 続き妄想 『 美獣 』 ACT.4 | a guardian angel

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スキビ好きな私が無謀にも始めてしまった…

二次創作・ネタバレ・つぶやきを含む妄想ブログです。

当然のことながら、作者さま・出版社さま等とは一切無関係です。

総合もくじ ☆ a guardian angel 


本誌続き妄想です。ネタバレNGな方は華麗にスルーしてくださいませ~。にへ

あくまで妄想です~ 

どうしても浮かんでしまった…みーの妄想にお付き合い頂ければ幸いですw



『 美獣 』  ACT.4


(それまでの話) ACT. 1 2 3



コイツは 絶対に 自由にしてはいけない 

なぜなら 自由を手に入れたソイツには 恐ろしい可能性がある

今度は暴走を食い止めてくれるはずの存在の 

あの娘に向かって 牙を剥く            。


(SIDE 尚)

昨日…キョーコに会いに行ったのは、この憤りをぶつけて、
これ以上無駄に他所の男を刺激するなって・・・釘を刺す為だった。

なのに、それが、敦賀蓮(あの男)の執着心を煽ることになっちまった。

あの顔       アイツは本気だ。本気でキョーコを…。

何なんだよっ…どうして俺がこんな気分にならなきゃいけねーんだ!

キョーコの中で、誰より 俺の存在がでかいなら、それがどんな感情でも構わないと思ってた…。

      バレンタインの時、キョーコがアイツを意識してることに気づいた。

それでも俺が負けるはずがないって…アイツの目の前で、俺を刻み付けてきたはずだった。

だけど、昨日会ったキョーコは、俺の忠告には耳も傾けず、アイツのことばっかり気にしてた。

落ちつかねー…どうしてこんなに不安になる…?

キョーコは俺を追いかけて、芸能業界に入ったんだろ?
俺よりビッグネームになって、俺を負かす為に頑張ってるんだろう?

ずっと俺だけを追いかけて…俺だけを見て、俺の事だけ      考えてればいい!!

つき合ってもない男にアレコレ改造されてヘラヘラ笑ってる暇なんてやらない。

誰にも負けねー記録を作って、余所見なんかさせないって、宣戦布告のつもりだった…のに、なんでこんな…負けたみたいな気分にならなきゃいけないんだ。

隙を作らせたのは俺…俺の知らねーところで、キョーコとアイツは絆を深めてる。

祥子さんに言われた言葉が頭を何度もよぎった。

『 あなたがそうやってつっぱねてる間に 二人はどんどん絆を深めていくのよ
いいの…?あなたの入り込む隙が無くなっても
…今ならまだ 間に合うかもしれないのに         …』

キョーコを取られる…俺が…アイツに負ける?

恍惚とした表情でアイツをみつめるキョーコ…そんなキョーコを勝ち誇った顔で抱く敦賀蓮を想像しちまった俺は、ひどい焦燥に駆られてた。

あれから何度も電話したが…電源を切ってやがるキョーコとは繋がりやしない。

こうしてる間にもアイツが、キョーコに近づいてるんじゃないかと思うと気が気じゃなかった。

あの男に本気を出されたら、キョーコなんて簡単に喰われちまう。

どうしようもない焦りとイライラだけが募っていく。

イライラと眠れない夜を過ごした俺は、仕事の為に訪れた事務所で、能天気にご褒美を強請りに来たポチリに、冷たく当たっちまった。

イライラする…俺をこんな気持ちにさせたキョーコにも腹が立った。
性懲りもなく俺は、キョーコ自身に怒りの矛先を向けてた。

キョーコのクセに…俺にこんな気分を味合わせるなんて、上等じゃねーかって…悪態をついて、自分のプライドを守るのに必死だった。
だから、もう一度、キョーコに会って文句の一つでも言ってやるって…アイツの仕事先を調べて向かったんだ。

         本当は会って、この不安を打ち消したかったんだ。

だけど、仕事の合間を縫って向かったそこにキョーコはいなかった。

控え室をノックしようとした時、部屋から出てきたのはポチリだった。

「…なんで…尚ちゃんがいるの?」

ポチリは目を見開いて俺にそう言った。答えずにいた俺に…小さな声で呟いた。

「最上キョーコに会いに来たのね…」

「…キョーコはどうしたんだ?」

ポチリの質問には答えず、質問で切り替えした。

「帰った…ねぇ尚ちゃん、なんで…あの子なの?
ただの幼馴染じゃないのはわかってた…でも、あの子はもう尚ちゃんの事なんとも思ってないよ?
だって、あの子も言ってたもの…今はもう目的も変わったって…」

なんとも思ってない…っていうポチリの言葉にカチンと来た!
…今の俺には美森を気遣う余裕なんてなかった。

「うるせーな!美森には関係ないだろっっ」

それを認めたくないからここに来たんだ!

「関係なくない!!…尚ちゃんの事を好きなのは美森だよ!美森の事を見てよっっ」

そういって抱きついてきた美森…だけど、そんな気分になれねー俺は、美森の肩を押して遠ざけながら言った。

「悪りぃ…お前に頼むんじゃなかったな…」

そういうと、目に涙を溜めて…

「…尚ちゃんのバカッッ!」

そう云うと美森は泣きながら去っていった。…俺は、さっき言われた言葉を反芻していた。

目的が変わった…だと?キョーコが復讐をやめたってことか…?
いや、そんなことはない…俺に対しての憎しみは消えちゃいない。

不意に視界に入ったのは、廊下に貼ってあったドラマのポスター…その中にキョーコがいた。

そういや、今度の役もいじめ役だって祥子さんが言ってたな…

だけど、そのポスターの中で不敵な笑みを浮かべてる女は、俺の知ってるキョーコじゃなかった。

女子高生のリアル…?
どこがリアルなんだよ?素のアイツとはぜんぜん違うじゃねーか…

キョーコは綺麗になった…少し着飾ったくらいで、男たちの視線を奪うほどに…。

女が綺麗になる理由なんて…一つだ。
だけど、キョーコを変えたのは俺じゃない         

そう思った瞬間、ズキンッと胸が締めつけられるみたいに苦しくなった。

キョーコの一番はもう…俺じゃない?その現実に俺は、目の前が真っ暗になった。

どうやってマンションに戻ってきたのか…俺は、ずっとキョーコの事を考えてた。

小さい頃からずっと一緒だった…そばにいるのが当たり前で、何でも知ってるつもりだった。

だけど、それが思い込みだったと…気づかされた。
ずっと変わらないと思ってた存在が、変わろうとしてる…。

このまま…俺は意地を張ってていいのか?

アイツは本気だ…このままじゃ、本当にキョーコを奪われる。

                まだ、間に合う?

・・・そうだ、アイツだってキョーコを完全に手に入れたわけじゃない…

顔を上げた俺は…携帯を手に取った。

キョーコは渡さないっ・・・絶対に取り戻す!アイツの一番は…譲れない!


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