721日、iland(山崎育三郎ファンクラブ)イベントが行われました。

2ショット写真撮影+1時間のトーク・歌などのイベント。


「レ・ミゼラブル」東京公演と博多座公演の間のいっくんと

いっくん大好きilandファミリーの皆さんとが、一緒に、楽しくも温かい時間を過ごしたのでした。


2ショット写真撮影は、予定よりもスムーズに進みましたね。次回以後は、もっと予定時間を短縮できるのでは?今、参加者お1人お1人の手元に想い出の写真が残っていることと思います。



そして、会場での全体のイベント


会場外で売られていたilandオリジナルペンライト(色は赤)を振りながら、StarSCDに合わせていっくん登場。


イベント構成は

育三郎先生のレミゼ講座

事前に募集された質問でのQA

ジャンケン大会

歌のプレゼント

11人握手でお見送り


ピアノ伴奏はおなじみの脇水顕さんが、臨機応変にいっくんの要望に応えたレミゼ伴奏や、歌の伴奏、素敵なグランドピアノで奏でてくださいました。



1)レミゼ講座


昼の部は旧バージョンと新バージョンの違いを中心に実際にたくさん歌って、違いを説明してくれました。

たとえば、幕が開いて最初の囚人の歌(いっくんは下手最前列の囚人)

旧バージョンは、「ハハン・ハハン・ハハハハハハ」

新バージョンは「ハハー・ハハー・ハハハハハハ」

なるほど~。いっくん1人の声でも、低音の迫力(文字ではよくわからないなー)。


マリウスとエポニーヌの最初のやりとり・・・「エポニーヌ元気か?」からの「わかってないのね」までは、いろいろと変化があったよう。

まず最初、旧バージョンではオケの音ポンポンポンポンと4つで入っていたところ、ポンポンと2つで入るようになった(この変更は、舞台稽古で突然出た)。何だよふざけてのメロディが変わった。語尾はのばさず、会話らしく止めるようになった(これは夜言ってたかな?)などのいろいろを実演。

マリウスとエポニーヌ1人2役で立ち位置も変えつつ、新バージョンと旧バージョンを歌ってくれました(エポの歌声は、一昨年の「ロミジュリ」Wロミオトークショーの育ジュリエットみたいでした)。


「力を借りたい 祈りにこたえて この手紙コゼットに まだいるだろうか」の部分はメロディーが変わっていると、実際に歌ってくれましたが、言われてみるとなるほどー、そうそう、前はこれだったよ~とわかる。でも、何も知らされないと違和感持たずに聞いてましたねー。他にもそういう違いいっぱいあるんだろうなー。


「恵の雨」のラスト、「花育てる」は、以前はメロディー通りに歌っていたけれど、新バージョンでは語るように、台詞に近い表現になっている。今回の方が気持ちをのせやすいとのこと。こういう違いは、いっくんが自分で変えているのかと思っていたけれど、演出の指示だったんですねー。


「カフェソング」全体が半音上がった。以前は低くてバリトンの音域に近かった。以前の方が暗く、辛い感じ。新バージョンの方がポジティブって言ったかな?これは、私が今回の「カフェソング」で漠然と感じながら、なかなかその違いをつかみ切れていない部分にも関わっていそうなんだよねー。


新バージョンでいっくんが特に好きなところとして紹介されたのは、「One Day More」の「めぐり逢えたのに~」の後のチェロの音。6月27日のビリー先生のレミゼ音楽講座でいっくんに紹介され(東宝さんが動画アップされてます)、私もその時から意識するようになりましたが、きれいな旋律。この音が、マリウスの想いを受けて伝えてくれるような気がするのだそうです。


夜の部でも、歌の違いは紹介されましたが、夜はむしろ演出面での違いを言葉で説明してくれた部分が多かったです。


まず、「レミゼ」(「サイゴン」も)は、音の返しがないという話。普通のコンサートやミュージカルでは、客席に向いているスピーカーと、舞台に向いているスピーカーとがあり、出演者はスピーカーを通して客席に響く自分の声を確認するのだけれど、「レミゼ」(とサイゴン)は、舞台向きのスピーカーがない。そうすると、オケの音も聞こえず、お互いの声も生声しか聞こえない。自分で自分の声の聞こえ方をチェックすることができない。それでどうするかと言えば、稽古場の通りにやるか、指揮者を見て歌うか、どちらかなのだそうです。エポニーヌの死のところなど、特に音が聞こえず、指揮棒を見てきっかけをつかんでいるのだとか。ちなみにこの「音の返しがない」という話、私は優ちゃんのアメスタで2回くらい聞いたことがあって、このブログにも書いていたのだけれど、あまり読まれてなかったということが、イベント後のお友達との話でわかりました(笑)。


指揮者さんについても話されましたが、今年の「レミゼ」(昨年の「サイゴン」も)を振っていらっしゃる若林さんは、優しく柔らかい方で、役者を見ながら、「そうか~今日はそういう風に歌いたいんだね~」と合わせてくださる。対してビリー先生や塩田さんは、「俺のテンポについてこい」というタイプで、指揮者に役者が合わせている。指揮者の違いで、上演時間が数分単位で変わってしまうのだそうです。


また新バージョンの特徴として、リアルに、お互いに向かって演技する。去年のサイゴンでも、映像のように相手役に向かって演技し、客席に向かって歌わないようにと言われた。相手役以外に向かうのは、月、太陽あるいは神に歌いかけるときのみ。「レミゼ」は「サイゴン」よりアリアが多いので客席に向かうところもあるが基本は同じ。


新バージョンでは、歌の語尾を伸ばさないみたいなことを言ってた。こう歌うのは×で、こう歌うのが〇って実演でやってくれたので、伸ばさないという解釈であってるかわからないけれど。これも、歌としてではなく、リアルに台詞として表現するという意味なのだと思います。


そこで大変になるのは、英語と日本語の違い。同じ音の中に乗る意味の量が全く違う。

「民衆の歌」、英語では「Do you hear=お前は聞こえているか」というところ、日本語は戦うものののうちの「たたか」までしか入らない。歌に同じだけの気持ちをのせることができない。ここが、外国人演出家が一番悩むところ。マリウスでいうなら、プリュメ街の最初、英語では「In my life=私の人生の中で」の音に日本語では「燃える」しか入っていない。外国人は「In my life」(←ここ、いっくんの実演で表現されてるので文で表すのは難しい)と気持ちを入れてほしいと指示があるけれど、「燃える」という歌詞ではそのように歌えないと言うのを、原田優一といっしょに戦って、演出家を説得した・・・というようなことを話していました。


それから動きのこと。旧バージョンでは盆が回っていたので、役者はただ立っているだけでも立ち位置が動き、観客の視線が動き、場面が転換し・・・ということがあったけれど、今回は回らないので、役者の動きで空間を埋めないといけない。プリュメ街にコゼットを訪ねる動きもいろいろあった。石を投げろと指示されたのは舞台稽古(だったかな?)。実際に採用されなかった動きには、コゼットがバルコニーから家の中に引っ込んだ後、マリウスは「コゼット行っちゃったー」とボーっとその窓を見つめ続け、コゼット玄関から慌てて走り出てマリウスの隣を通りすぎてしまう(マリウス気づかない)。マリウス意気消沈して帰ろうと振り向いたらそこにコゼットがいて「わあビックリした!」みたいな、コントのようなバージョンもあったのだとか?


歌詞が変わったところもある。結婚式でテナルディエに

「そうか、やっぱり、ジャンバルジャンに救われた」が、

「まさか、あのとき、ジャンバルジャンに救われた」に。

旧バージョンは少し気づいていて、新バージョンは全く気付いてなかったってこと?



「レミゼ講座」で私が記憶しているのは、だいたいこれくらい。


あと、どの辺で出た話か忘れたけど、マリウスになる前に出ている工場の場面、最近は後ろの方で偉そうに、それ運べとか片付けろ、とか他の人に指示を出してる。自分で次期工場長という裏設定を作ってるって言ってました。


この後のQAでも、「レミゼ」話は続きます。


それにしても・・・いっくんは本当にミュージカルが、「レ・ミゼラブル」が好きなんだなーと改めて思いました。

決して話題が豊富でも、トーク上手でもない、トークに関してはむしろ不器用ないっくん。

でも、過去のイベントでも、「クラシックとポップスの歌い方の違い」とか、「自分で考えた発声方法」とか歌に関わることならいくらでも話せるって感じでした。今回も、「レミゼ」のこととなると本当に饒舌。これについてなら幾らでも話せるって感じでした。男性って、自分の好きなもの(車とか、ワインとか、フィギュアとか、アニメとか・・・)については際限なく目を輝かせて話し続けるものだけど(他人はそれをオタクと呼ぶ)、いっくんはまぎれもない音楽オタク、ミュージカルオタク、レミゼオタクなんだなぁ~って思います。


夢中になって話しつつ、時々不安になるのか、客席に「こんな話、面白いですか?」って訊いてくるのが、ちょっと可愛い(笑)。きっと幾つになってもこういう話は少年のような目で夢中になって話してくれるんだろうなー。話の内容も興味深いけれど、そういういっくんを見ていられるのが、一番嬉しいのかも?


長くなったので、いったんここでアップします。