毎日勤め先に買い物に来てくれるおじさんがいます。
明るいひとで「そらさんっ、今日もがんばってるね～」なんて声をかけてくれます。
でも、パート仲間では「あのひと何者なんだろ？」がいつも話題に。
身長180cmくらい、いつもヨレヨレのTシャツに、膝丈のパンツ。
買い物には１日何度もくるので、仕事はしてなさそう。
失礼な話、お金持ちではなさそうな風体だけど、実は近所の高級マンションに住んでいて、奥様もいらっしゃる。
私が仲間より強く「何者なんだろ？」と思うのは、おじさんがとにかく一日中歩いているから。
私は休みの日はウォーキングをするのだけど、そのときとにかくよく会うんです。
ここ、と決まった場所でなく、いろんなところで。
そんなときにちょっと立ち話したとき聞いたのが「僕は１日10万歩以上歩くんだ」。
10万歩。
私のウォーキングが10kmで15000歩くらいです。
おじさんはウォーキングではないとはいえ、10万歩って普通じゃない。
それも毎日。
あるとき店に元夫が買い物にきて、おじさん見てびっくり。
「あのひとこっちまで来てるのか？」
「だってあのひと、この先のマンションに住んでるもん」
「え？俺んちの周りでよく見かけるぞ」
店から「俺んち」までは約8km。
ほんと毎日10万歩歩いてるんだ…
もしかしたら、大病をして医師から歩くように言われてるのかな。
歩くのを止めたらまた体を壊すと思って、指示以上がんばってしまってるんじゃないか。
先日ふとそう思うことがありました。
私の前を歩いていたおじさんの歩き方が明らかに変だったから。
体は右側に傾いて、歩幅もいつもより狭く、真っ直ぐに歩けてない。
声はかけなかったけど「もう、歩くの止めなきゃだめだよ…」と思いました。