脂漏性皮膚炎にステロイドとピーリング:治らず、悪化するだけです。 | 青山ヒフ科クリニック院長Dr.亀山のオフィシャルブログ

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表参道にある青山ヒフ科クリニック 院長 亀山孝一郎のブログです。

この患者様は、昨年11月頃から、顔、特にTゾーンが赤くなり、口の周りが
痒くなったそうです。
近所の皮膚科で具体的な病名は告げられず、ステロイドと自宅用の
ピーリング製剤を処方されずっと使用していたがよくならない
最近、悪化してきたと来院されました。 


脂漏性皮膚炎は、環境や職場などのストレスにより、顔への血流が低下し、
角層のバリア機能が落ち、敏感肌、乾燥肌になるのを防ぐために
皮脂の分泌が亢進して、毛穴が、開き、皮脂が分解してできた遊離脂肪酸などが
皮膚に炎症を起こして発症します。

治療法は、ステロイドは絶対に使用しないことです。依存症を生じます。
また、皮膚のバリア機能が低下しているわけですから、
皮膚のバリア機能を上げるべきです。
バリア機能が低下している肌へのピーリングも皮膚の角層を削るので、逆に症状を悪化させます。

僕は、この病気のメカニズムをよく説明し、皮膚のバリア機能を上げる
治療をさっそく開始しました。 皮膚のバリア機能が上がれば、
バリア機能の脇役である皮脂の過剰分泌はなくなるのです。

脂漏性皮膚炎で特に、口の周りの症状が激しくなる症状を「口囲皮膚炎」と言います。
これらの症状に、ステロイド、ピーリングをずっと継続しなさい
と指導したドクターがいることを思うと、ため息が出てきました。
せめて、非ステロイドの外用剤を処方していたら…。と思いました。

もし診察を受けて、なかなか症状が良くならないという方は
ぜひご相談ください。