6.世界と日本国内、青森県内のタバコ規制対策のギャップについて | 青森県タバコ問題懇談会BLOG

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青森県の全面禁煙の飲食店マップ 青森県内の禁煙活動・情報

 WHOは本年(2007年)5月31日の世界禁煙デーに発表した「受動喫煙防止のための勧告」において、「受動喫煙が非喫煙者の生命と健康を奪い、そこに安全無害なレベルのないこと、分煙や換気では受動喫煙を防ぐことはできないこと」から、屋内は分煙ではなく完全禁煙でなければならなず、法律によりすべての人に完全禁煙を保証することなどを世界各国に勧告しました。

 引き続き6月末からタイで開催されたタバコ規制枠組み条約(FCTC)第2回締結国会議(COP2)において「受動喫煙防止に関するガイドライン」が採択され、全ての屋内環境の完全禁煙を2010年2月までに法制化することが国際間の約束として取り交わされました。この「全ての屋内環境」や「全ての人」の中にタクシーやホテル・飲食店およびその従業員が含まれることは言うまでもありません。

 しかし、このことは国内ではほとんど報じられなかっただけでなく、半年近くたっても政府は何ら新しい動きをみせておりません。現在でも、日本は先進国だけでなくアジア諸国の中でもタバコ対策後進国となっています。私たちは、この状況に対して強い危機感を抱いており、政府が国際的な約束に従った規制政策を適切に実施することを望みます。

 既にアイルランド(2004年)をはじめとした世界二十数カ国・地域で飲食店を含む公的スペースの全面禁煙化が特に混乱なく実施され、施行後1年間で心臓発作の入院が11~17%も減少したことも明らかになっています。これは、喫煙および受動喫煙の被害の大きさと対策の有効性を証明するものであり、国内での速やかな実施が望まれます。
禁煙世界地図0712

 しかしながら、現状においても健康増進法および職場の受動喫煙防止ガイドラインを遵守すれば、利用者や労働者を受動喫煙から守るためには、タクシーやホテル・飲食店を含む全ての職場・屋内スペース(それに準ずる場所)は完全禁煙としなくてはいけないことは明らかであり、江戸川区受動喫煙訴訟(2004年)でも判例は確立しています。

 行政当局および関係企業・団体にはこれ以上重大な健康被害を放置せず、法に従った適切な実施(コンプライアンス)を強く求めます。

 青森県における課題としては、県南部を中心とした葉タバコ農家に対して、タバコ税を財源とした大胆な転作補助対策を早急に実施すべきです。タバコ産業は今後数年間で急速に衰退していくことが確実であり、一刻の猶予も許されません。

 メディア各社には、世界と日本の現状を正しく理解し、アスベストを大きく上回る健康被害であるタバコ問題に対する適切な報道を望みます。

■参考資料
・受動喫煙防止条約(たばこ規制枠組み条約第八条とそのガイドライン)
 http://www.nosmoke55.jp/data/0707cop2.html
・受動喫煙防止のための政策勧告(WHO 2007年)
 http://www.nosmoke55.jp/data/0706who_shs_matuzaki.html

↑5.県内全市町村の小中学校の敷地内禁煙実施率について