君にサヨナラを(通常盤)/桑田佳祐
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M-1.「君にサヨナラを」


歌詞の内容は実に「ソロ」的で、「人間・桑田佳祐」が素直に表現されており好感が持てるものだと感じた。

冒頭の歌詞から「死」に対する思いが語られる。


 Someday いつかは永遠(とわ)のかなたへ
 微笑(わら)いながら旅立ちたい


桑田佳祐は公式ホームページのインタビューでも親姉弟との別れにより人生感が変わったと話しているが、こういった経験がこの曲を凡百のラブソングとは一線を画す作品として成立させる要因となっている。


 さらば友よ 愛しい女性(ひと)よ 今は無き面影
 希望を胸に生きるは 僕ひとりのせいじゃない
 ・・・君がいたからさ


「愛しい女性」とは、他人の異性ではなく「母」であり「姉」であることは明確なのだが、先立った家族によって自分は「生かされている」ことを実感していると素直に表現している。これは甘美な男女のラブソングを聴き慣れている若い世代の人たちには理解しにくいのではないかと思う。ある程度歳を重ね、家族の死を経験した者でこそ共感できる大人のラブソングなのだ。


しかしサビの最後に付け足される女性コーラスは必要なのだろうか?
「明日晴れるかな」でも最後に子供のコーラスが挿入されていたが、同様にこれは「愛しい女性」たちの天からの歌声だと考えれば、納得せざるを得ないのかもしれないなぁ。(私には邪魔な気がしますけどね)


M-2.「声に出して歌いたい日本文学」


「音楽寅さん」での放送を観た人には説明不要でしょう。
この曲の特筆するべき点は、楽曲が「詞先」で作られている点でしょうか。
「詞先」で作られた曲ですぐに思い出すのは、やはり前シリーズの「音楽寅さん」で作られた「PRIDEの唄~茅ヶ崎はありがとう~」ですかね。
慣れていない作業の割には全体的に上手くはまっていると思いますが、個人的には「汚れつちまつた悲しみに……」が好きですね。

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M-3.「HONKY JILL ~69(あいなめ)のブルース~」


お馴染み、「音楽寅さん」のオープニングテーマ。最初聴いた時にサビの最後が「Be-Bop A-Lula」だな、と思いましたが、全体的にはサザンの作品でいう「ラッパとおじさん」ですな。


ステレオ太陽族/サザンオールスターズ
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