トラックバックステーション 「もしもあのとき・・・」


今から数年前。

まだ私が20代前半だった頃。

とてもとても好きな人がいた。


いつもその人の考えていたし、時間があれば会いに行った。

「寝ても覚めても」というのは、こういうことか、と初めて知った。

私の生活は、その人を中心に回っていたのだ。


当時、その彼は仕事が忙しくなってきて、それが楽しかったようだ。

私の頭の中は恋愛でいっぱいだったのに対し、

彼の頭の中は仕事でいっぱいになっていた。

そんな二人がうまく行くはずはない。

同じスタンスでないと、恋愛はうまくいかないのだ。


先に根をあげたのは彼だった。

疲れたので、しばらく色んなことを一人で考えたい。

時間が欲しい、と。

散々わめいた私だが、おとなしく距離をおくことに決めた。


距離をおいてる間、私だって色々考える。

私の何が悪かったのか。

このまま時間が経てば、前の2人に戻れるのか。

自分はどうしたいのか・・・。


だんだん考えるのがめんどうになってきた私。

基本的に、飽き性でめんどくさがりなのだ。


「別れよう」


そう決めた。

そして、彼にその意思を伝えた。


彼はまだ別れる決心はつかないようだった。

彼は彼なりに考えていたのだろうが、結論を出すのを嫌がった。

それでも、私は自分中心の生活を取り戻したかったので、別れを選択した。


が、、、なかなか自分中心の生活は戻ってこなかった。


「もしもあのとき、別れようと言わなかったら」

「もしもあのとき、もっと相手のことを思いやれていたら」

「もしもあのとき、もっと距離をおいて付き合っていたら」


今も一緒にいられたんじゃないか・・・。


ずっと、そんなことを思って過ごしていた。



でもまぁ、時間というのは誰にでも平等に与えられるもので、

いつの間にか、彼のことは、苦い思い出であり、良い思い出に変わっていった。


今思えば、価値観も趣味も何もかも合わない人だった。

たとえ、あのまま付き合っていても、いずれは別れていたし、

もっともっと傷ついたかもしれない。

もし、運悪く結婚なんてしようものなら、私には耐えられなかっただろう。

ん~、っていうか、何であんなに好きだったんだ!?


そして、今は、、、


「もしあのとき、別れていなければ」


今の幸せはないんじゃないか、と思うこともある。



あの頃は、、、(ハアッ) なんて考えながら、


穏やかで楽しい毎日を過ごせることに、心から感謝したい。



rank

 ↑どうぞよろしく御願いします。