昨日の己の暴言、というか暴走の後始末
こんなので良いですか??
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次はフレンズだから。
剛士の育休(俗称『つるQ』)明けを待たずに、その報告が崎本のところに舞い込んだ。
初の地方公演での長期舞台、SMSの新曲とそれに伴ったローラーブレードの特訓。
そんなもろもろが終わった頃に、まるでご褒美のようにその時はやって来る。
思い出すのは、代々木体育館で剛士のライブにゲスト出演させてもらったときのコトだ。
『つるの剛士』を見るためだけに集まった、見渡す限りの人、人、人。
そんな圧倒されそうな熱気に負けず、向けられた感情を丸ごと受け止め自分の世界に引きずり込んだ剛士の雄姿は、今でも脳裏に焼き付けられている。
あんなふうに、見る人を魅了できる人間になりたい。
自分の向うべき何か、を見せ付けられた瞬間だった。
先に衣装に着替えさせられて、スタジオで剛士の到着を待つ。
今更なのに、緊張する。
久し振りに会うのに、いつもみたいな大所帯の楽屋じゃなくて、たった二人きり。
沢山のカメラとライトが用意されたスタジオは、人が行きかっているわりには静かで呼吸をするのも憚れるくらいに息苦しい。
早く、つるのさん来ないかな・・・。
ちょっとそわそわしてると、パタンとスタジオの扉が大きく開いた。
人の注目が一点に集まる。
なにがって言うんじゃなくて、引き付けられるようにみんなの意識がそっちに向かう。
「おう、つるちゃんおかえり!」
「随分すっきりしたなぁ。子守が大変だったのかい?」
次々にかけられる声に苦笑しながら、剛士が少しずつこっちに向って来る。
彼が現れただけでスタジオの空気が一変した。
滞っていた空気が流れ始めたようだ。
「お久しぶりです」
そう告げると、彼は困ったように笑った。
「なーんかね、好き勝手してたから久し振りって感覚無いんだよ。
考えたら2ヶ月も会ってなかったんだよなー」
うんうんと納得しながら頷く彼の言いたいことも分かる。
過ぎてしまえば時間なんてあっと言う間だ。
待っている人間ばかり、長く待ち遠しい時間に感じるだけなのだ。
待たされてる者ばかりが・・・。
「そだ、お前、俺が一所懸命リハしてる間にあんなことしてたの?」
「え?」
「ブログ。オレの衣装着てたじゃん」
ニヤニヤとイヤらしい笑みを浮かべる剛士を前にして、崎本は思わず叫びそうになってしまった。
剛士のツアー衣装を(こっそり)着て撮った写真。
つい(酔った)勢いでブログに公開してたのだが、あんな美味しいネタを見逃す剛士ではない。
しかも更新日が剛士の復帰前日とあっては、弄くらないはずがなかった。
「すみません、かってして・・」
「いやー?別に構わないよ?ってか、そんな恐縮すんなよ!
まさかあんな可愛いことしてるとは思わなかったから驚いただけだって」
くすくす笑いながら、剛士はジャケットよりもコートみたいな上着をさらっと脱いでみせた。
「これも着てみる?」
思わず素直に受け取ってしまったが、剛士の衣装が着たいわけじゃない。
だけど、この状況からでは着ないほうが可笑しな流れだし、剛士もスタッフも崎本がこの上着を羽織るところを期待してるみたいだ。
なんだか耳が熱い。
恥ずかしい、けど、何を恥ずかしいって感じてるんだろう・・・?
「じゃ、ちょっとだけ」
「うん、ジャケット持ってるから」
自分が着ていたジャケットを剛士に渡して、代わりに剛士の上着を羽織る。
ファッションとしてはおかしなことになってないのだが、サイズがいまいち合わない。
肩が落ちるし袖も余るし、裾だってけっこう長い。
なんか、これ、まるで・・・。
「・・・、彼氏の服を着ちゃった女の子みたいだな」
自分が思っていた事をズバッと剛士に言い当てられて、一気に頬が熱くなるのを感じた。
まだ体つきが少年の崎本は、薄い体格のままでこうしたときに剛士らとの差を思い知らされる。
ただでさえ、なんだか剛士のぬくもりが服から伝わってくるみたいでこそばゆいのに・・・。
「俺はこっち着れるかなぁ?」
崎本のジャケットをひらかしながら、思わず呟いた剛士の言葉にスタッフが慌てた。
「やめてよつるちゃん。撮影する前から破いちゃったらどーすんの?」
「ひどっ!ボキ、こんなに体型すっきりしたのに!」
「それでもきわどいよ~。無理しないでよ」
「みんな言うこときびぃっす!
サッキーはどう思う?やっぱやめたほうが良い?」
急に話をふられて、崎本は少しばかり慌てそうになった。
確かに崎本のサイズに合わせて、しかもラインが出るようにぴったりと作られている。
休暇前の剛士だったら、確実に無理だったろう。だけど。
「ちょっと位なら平気ですよ。つるのさん、スマートになりましたもん」
「ほら~、サッキーも平気って言ってんじゃん!やっぱ分かる子は分かるね~」
いや、崎本はつるのさんを色眼鏡かけて見てますから・・・(-"-;)
そんなツッコミを声に出して言える勇者はいなかった。
意気揚々と崎本のジャケットを剛士が着込む。
少しきつそうではあるが、無理矢理って程でもなさそうだ。
「つるのさんは何着ても格好良いですね♡(o´冖`o)」(←絶賛色眼鏡中)
「でもやっぱ危ない・・・。下手に動くと後ろがこえーよ」
剛士が諦めて脱ごうとすると、カメラマンに止められ、そのままの格好で一枚撮られた。
もっと寄って、とジュスチャーで指示を出されて、戸惑いながらも剛士に寄り添う。
剛士のほうは全く気にもしないで、肩に手を回して引き寄せてくるんだけど。。。
なんか、落ち着かない。
「こーゆーのも面白いもんだなぁ」
正規の衣装に戻って、服のしわとかを直してもっている間に剛士が楽しそうに呟いた。
「今まではお揃いの衣装ばっかじゃん?
わざわざ取り替えて着ようなんて思わないもん」
あ、って思った。
見えた気がしたのだ、彼の隣にいつもの二人の姿が。
当たり前に彼を挟んで立ち並ぶ、無敵の三人組の姿が。
思い込みかも知れないけど、そこに居るみたいに感じられたのだ。
「はい、じゃ、ちゃんと並んで」
少し振り返る仕草で、剛士が視線だけで自分を呼ぶ。
こっちにおいでって、隣を空けてくれている。
まるで懐に入れて大切に大切に守ってくれるみたいに。
だけどそこは、本当は・・・。
てへって笑って、彼の隣にスタンバイする。
同じようにポーズを決めたり、格好つけてシンメトリーに立ってみたりする。
演技だけは自信があったから、だから気が付かないふりをするのは何でもないんだ。
笑うたびに胸がチクチク痛むけど、その人の笑顔が泣きたいくらい辛いけど。
でもちゃんと、彼が望む笑顔で返してあげることは出来るから。
だから、今だけは、僕だけを見て笑ってくださいね。
ここに居ない誰かを思い出したりしないで、僕を見て笑ってくださいね。
もっともっと頑張って、貴方の隣に立つのに相応しいだけの男にきっとなります。
だから今だけは、ちゃんと僕を見ていてください。
とても甘くて、絶え間なく降り注ぐように僕を包んでくれる。
その眼差しが僕の一番の力になるのです。生きる糧を与えてくれるのです。
たとえそれが、一時の通り雨だったとしても・・・・。
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もっとラブラブ~っぽくしようかと思ったのですが、本物を見て無いのでここらが限界でした。
つるのさんを目の前にしたサッキーを見たら、もっとリアルな話がかけたでしょう┐(´ー`)┌
あまり需要がなさそうな(そしてストーリーもオチも無い)話ですみません。
つーか、ナオタンとウエンチュの話も書きたいんだけどな・・・。